A(H3N2)型インフルエンザウイルスの抗原性を予測する方法
Predicting H3N2 strains for vaccination
インフルエンザA/H3N2型ウイルスの抗原クラスターを予測する新しい計算法が発表された。
この新知見は、ワクチンの製造に用いるウイルス株を特定するために役立つことが期待される。
研究成果を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。
流行するインフルエンザのウイルス株は、その特徴が絶えず変化しているため、インフルエンザ
ワクチンを2−5年ごとに更新して、そうした変化に対応させることが求められる。そのための方法
としては、インフルエンザ株から見つかるヘマグルチニン抗原遺伝子の進化系統樹の解析が
行われてきた。
今回、T Jiangたちは、中国本土で1968−2009年に単離されたインフルエンザA/H3N2型の
1000種以上のウイルス株についてヘマグルチニン抗原遺伝子の塩基配列解読を行った。
そして、新しい計算法を用いて、ヘマグルチニン抗原の12の構造的特徴と生理化学的特徴を
解析して、これらのウイルス株の抗原クラスターのモデルを作成した。
Jiangたちは、この成果によって、1968−2009年にわたる中国でのA/H3N2型ウイルスの進化を
たどり、今後の予防接種プログラムで有用となる可能性のあるウイルス株を予測した。
Nature姉妹誌 注目のハイライト Nature Communications, 2012年02月29日
http://www.natureasia.com/japan/highlights/details.php?id=1689 Mapping of H3N2 influenza antigenic evolution in China reveals a strategy for vaccine strain recommendation
Xiangjun Du, Libo Dong, Yu Lan, Yousong Peng, Aiping Wu, Ye Zhang, Weijuan Huang,
Dayan Wang, Min Wang, Yuanji Guo, Yuelong Shu & Taijiao Jiang
Nature Communications 3, Article number: 709 doi:10.1038/ncomms1710
http://www.nature.com/ncomms/journal/v3/n2/full/ncomms1710.html 関連ニュース
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