【考古医学】エジプト、ハトシェプスト女王葬祭殿のミイラ半数に動脈硬化 CTスキャンで発見 原因は食生活か遺伝か?

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1星降るφ ★
古代エジプト王女に世界最古の動脈硬化
James Owen for National Geographic News
April 18, 2011

 およそ3500年前、40代で死亡したとみられている古代エジプトの王女アーモセ・メリエット・
アモン(Ahmose Meryet Amon)。カロリーを控えて適度な運動を行っていれば、“世界最古”の
動脈硬化にならず、もっと長生きしたかもしれないという。

 この王女のミイラが埋葬されていたのはナイル川西岸に位置するハトシェプスト女王葬祭殿
(デル・エル・バハリ)。現在はカイロのエジプト考古学博物館に安置されている。このほど
同博物館のミイラ52体をCTスキャンしたところ、彼女を含めほぼ半数で動脈血栓症(動脈硬化)
が見つかった。とりわけ王女は「冠状動脈アテローム性動脈硬化」の最古の症例と目されている。
動脈プラーク(血管内膜に付着した脂質)の蓄積が原因で、心臓発作などにつながる疾患だ。

 研究の共同責任者で、カリフォルニア大学アーバイン校の循環器学教授グレゴリー・トーマス
氏によると、「月の子ども(Child of the Moon)」、「アメン神に愛されし者(Beloved of
Amun)」とも言われるアーモセは、脳や心臓に血液を送り込む動脈を含めた主幹動脈5本に
プラークがあったという。「私がいま王女を診断できたとしたら、脂肪分の摂取を控えて適度な
運動を行うよう指示したうえで、心臓手術を行う。2カ所のバイパス手術が必要な状態だ」。

◆最大の原因は食生活?

 CTスキャンしたミイラは埋葬前に心臓が取り除かれていたが、体のいたるところにカルシウム
が蓄積していることから、動脈の問題を突きとめた。とは言え臓器が原型をとどめていない場合
が多く、すべてのミイラが心臓疾患で命を落としたのかどうかは確証がないという。しかし王女
が生きていた紀元前 1580〜1550年の医療関係の文献には、重篤な心臓発作の予兆と考えられる
腕や胸の痛みに関する記述がある。

 共同研究者で、カリフォルニア大学サンディエゴ校医科大学院に所属するマイケル・ミヤモト
氏は、動脈血栓症や心臓発作は一般に現代の生活習慣や食生活と関連が深いと考えられており、
古代エジプトとは結びつきにくいと語る。「アテローム性動脈硬化の主な要因とされているのは、
喫煙をはじめ、糖尿病率や肥満率の高さ、トランス脂肪酸(食用油の加工時に発生する脂肪酸)
の多い食事などだ。古代エジプト人の生活との関連性は薄い」。

 だが、テーベ第17王朝のファラオに名を連ねる「セケネンラー・タア2世(Seqenenre Tao II)」
の娘である王女は、調査対象の他のミイラと同様、高い地位にあった。通常より心臓病にかかる
確率は上がると言えるだろう。「地位が高いため、欲しいものはなんでも手に入るような生活を
送っていただろう。特に体を動かす必要もなく、肉類に代表される高カロリーな食事を摂っていた
はずだ」。

 研究の共同責任者で、エジプトのアル・アズハル大学の循環器学教授アデル・アラム氏も、
「彼女はエジプトが栄えた時代に生きていた」と付け加えている。「貧困層の人々でも豚肉を
たくさん食べ、パンにハチミツを使うようになった時代だ。一般人でさえ糖質や脂質を多量に摂取
していたとするなら、王女たちの食生活は相当に不健康だっただろう」。

◆遺伝的要因の可能性?

 一方で、古代のミイラからは脂肪が喪失しているものの、生前のアーモセ王女は小柄で、特に
太っていなかったとも考えられるという。実際に研究チームは、食事や生活習慣以外の要因が動脈
硬化を引き起こした可能性もあるとみている。「例えば彼女の家系には、アテローム性動脈硬化を
そろって発症した親子もいる。遺伝的要因の可能性は無視できないだろう」とアラム氏は話す。

>>2以降に続く)

▽記事引用元  ナショナルジオグラフィック ニュース
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110418001&expand#title

▽画像  古代の疾患を調査するため、エジプト貴族のミイラがCTスキャンを受けている
http://www.nationalgeographic.co.jp/news//bigphotos/images/mummies-heart-disease-06_34572_big.jpg
Photograph courtesy Michael Miyamoto
2星降るφ ★:2011/04/18(月) 23:55:27.33 ID:???
>>1の続き)

 アメリカとエジプトの合同研究チームは現在、計72体のミイラに対し、さらなる分析を
進めている。遺伝的要因や、関節炎やガンなど他の健康上の要因も調査するほか、骨の状態
から生前の運動習慣を類推する試みも行っているという。

 今回の研究は、循環器分野の代表的な国際ジャーナル「Journal of the American College
of Cardiology(JACC): Cardiovascular Imaging」誌4月号に掲載されている。

(記事ここまで)
3名無しのひみつ:2011/04/19(火) 01:20:32.15 ID:k/yoiYHI
画像、結構しっかり残ってんなー

一方、セケネンラー・タオ二世のミイラは怖い
4名無しのひみつ:2011/04/19(火) 01:43:34.66 ID:iEJ56ySV
遺体を長持ちさせる事に長けていたのに
生前はむしろ短命に終わる生活とはね
5名無しのひみつ:2011/04/19(火) 02:00:38.04 ID:ODMyzGeU
ミイラを見ると、DNAを取り出して復活させてやりたくなる。
彼らが期待していた復活は今なら可能かもしれない。
6名無しのひみつ:2011/04/19(火) 02:11:59.55 ID:svCqN8Es
>>5
復活したミイラが世界征服をたくらみ、その代理母となった女性含む勇者達との抗争が始まる。
7名無しのひみつ:2011/04/19(火) 02:31:50.32 ID:S28BgmDG
ミイラすげぇな。
ご冥福をお祈り申しあげます。
8名無しのひみつ:2011/04/19(火) 03:35:43.28 ID:Y98mhVCQ
Journal of the American College of Cardiology

どっかの短大の紀要かと思ったら
わりとまともな学会誌なのね
知らんかった

9名無しのひみつ:2011/04/19(火) 03:55:10.31 ID:3Lk3DUrL
重装チャリオット最強
10名無しのひみつ:2011/04/19(火) 05:26:40.75 ID:XIwSVRZr
飽食の問題は今も昔も変わらんな…
11名無しのひみつ:2011/04/19(火) 09:08:43.29 ID:78ZjtoUo
すごい写真だな…
12名無しのひみつ:2011/04/19(火) 09:20:58.94 ID:eou2qtrp
玉ねぎ嫌いだったのか
13名無しのひみつ:2011/04/19(火) 09:27:23.22 ID:BHKv82SX
労働者の食い物扱いだったんじゃね
14エラ通信:2011/04/19(火) 09:54:11.78 ID:/JwqkMAx
肉類、特に脂肪の多い家禽が疑われるな。
15名無しのひみつ:2011/04/19(火) 10:23:03.96 ID:CRIlrUnl
マイケル・ミヤモト氏
16名無しのひみつ:2011/04/19(火) 14:22:37.67 ID:HXZ5Gxff
画像のミイラ、顔は原型が残ってるのに、胴体は肋骨剥き出しなんだな。
胴体の処理はいろいろ省略されてたんだろうか。

>>3
セケネンラー・タオ二世のミイラって斧やら槍で滅多打ちにされた跡がちゃんと残ってるんだよなw
ttp://1.bp.blogspot.com/_fhVpDW9sV30/Ssm4mHQRqYI/AAAAAAAALNM/JNNrt-GBTQU/s1600/Mummies-Seqenenre-Tao-II.jpg
17名無しのひみつ:2011/04/20(水) 02:42:52.90 ID:MmVD+avt
死後のミイラ化処理により、
見かけ上そのような症状が発生している可能性は考慮したのか?
 例えば健康な日本猿を当時のミイラ化技術と同じやり方で
処理してミイラを作ってからCTスキャンしたらどうなるかなど。
腐敗防止のために、岩塩やかんすいなどを使ったりしてたと思う。
18名無しのひみつ:2011/04/20(水) 02:47:41.78 ID:ROZm+zYk
>紀元前 1580〜1550年の医療関係の文献には

エジプトは凄い。古代妄想狂のクソチョンも真ッ蒼!
19名無しのひみつ:2011/04/20(水) 09:14:17.62 ID:ke7fF3qD
デブが裕福の証だったりするしそりゃそうだろう。
20名無しのひみつ:2011/04/20(水) 19:46:59.86 ID:S6/q+1k5
それにしても何でも判るんですねえ。うっかり死ねないわね
21名無しのひみつ:2011/04/20(水) 21:22:16.22 ID:1Vy5aq8I
>>16
内臓は一旦取り出して本体とは別に防腐処理をしてたらしい
防腐処理したあと布にくるんでまた本体に詰めたり別の壺にいれて埋葬
22名無しのひみつ:2011/04/21(木) 18:31:04.16 ID:V/6fv9Wf
美味い物ばかり食べていたのでしょうね。
23名無しのひみつ:2011/04/21(木) 20:03:12.78 ID:wNuAfVj5
穀物や砂糖?を多量に摂取したからだろう
運動と脂肪は関係ない
24名無しのひみつ:2011/04/21(木) 20:05:45.08 ID:erfepRuU
>>1
シュールな写真だな
25名無しのひみつ:2011/04/21(木) 22:28:39.81 ID:z578wloN
>>21
内臓は水分が多過ぎて腐るからか。

...生ハム製造だね、要するに。
26名無しのひみつ
よみがえったミイラ怪人エジプタス