万能細胞の胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心筋細胞を並べネットワークを構成、
心臓に近い状態を再現し、新薬の毒性を調べるチップを東京医科歯科大生体材料工学研究所の安田賢二教授らが開発した。
薬の心臓への副作用を正確に予測でき、既に海外の大手製薬会社数社が、このチップを利用する動きがあるという。
安田教授は「人の心臓の一部を直接チップ上で測っていることと同じで、この方法が確立できれば新薬の
開発段階で動物実験をしなくても、人の臨床試験に進める可能性がある」と話している。
3月1日から都内で開かれる日本再生医療学会で発表する。
安田教授らは、ガラス基板に直径1ミリ程度のリング状の電極を置き、約千個の人の心筋細胞を規則的に配置。
それぞれの細胞の電位と、細胞間の電気的興奮の伝達状態を把握することができ、「心電図」を取ることに
成功。
毒性のある物質を添加すると、不整脈を起こすことを確認した。
今後は薬の副作用で不整脈が起きる病気の患者のiPS細胞から心筋細胞を作製し、このチップに応用したいという。
製薬会社にとって、新薬候補の物質に毒性があるかどうかを早い段階で見極め、重大な副作用を未然に防ぐことが重要。
毒性検査にiPS細胞を利用する研究が急速に進んでいる。
▽画像 心筋細胞を並べた毒性検査用のチップ(安田賢二東京医科歯科大教授提供)
http://img.47news.jp/PN/201102/PN2011022701000476.-.-.CI0003.jpg ▽記事引用元 共同通信(2011/02/27 16:39)
http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011022701000447.html