【ナノテク】「短波長化せずに解像度を高められる」、多光子フォトレジスト技術を米大学が発表

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1一般人φ ★
 フォトリソグラフィ技術の研究は、紫外線(UV)の波長が極めて短い領域を利用する方向に進んでいる。
そうした中、米国のUniversity of Marylandの研究グループは、多光子フォトレジストを使うことで、
可視光でナノスケールの解像度を達成できる技術を発表した。
露光時間に応じて解像度を調整できるという。

 同大学の教授であるJohn Fourkas氏は、「これまでのフォトリソグラフィ技術は、
光の波長を短くすることによって解像度を高めるという手法が採られてきた。
われわれの目標は、可視光を用いてナノスケールの解像度を達成することだ」と述べている。

 研究グループは、今回の新しい多光子技術を「RAPID(Resolution Augmentation through
Photo-Induced Deactivation)」と呼ぶ。1つ目のレーザーを使用してフォトレジストの露光の開始位置を設定し、
2つ目のレーザーで露光の終了位置を設定することで、2つの集束ビームが重なるナノスケール単位の
領域だけが完全に露光されるようになるという。

 Fourkas教授は、「顕微鏡の対物レンズを通してレーザービームを集光すれば、光の吸収をこの非常に
小さな領域に閉じ込め、このレーザーの焦点体積ちょうどの大きさに制限できる」と述べる。

 研究グループはすでに、3次元材料をチップ上で選択的に重合化させる用途において、
この技術を完成させている。MAP(Multi-photon Absorption Polymerization:多光子吸収重合化)と呼ぶ
手法を用いて、チップ上に極めて小さい巻き線コイルを作製した。
前述のRAPIDはこのさらに先を行く取り組みで、集束した可視光でナノスケールの解像度を得るために、
フォトレジストに多光子吸収を適用する。
この技術によって、解像度の向上に向けて極端紫外線(EUV)光源に移行する時期を遅らせたり、
移行を不要にしたりできる可能性があるという。

 今回の技術は、EUV技術で真空環境での処理が必要になるのとは異なり、通常の大気圧環境で使える。
今回の技術では、1つ目のレーザーでレジスト内の特殊な光反応を開始させ、2つ目のレーザーで反応を
停止させることにより、露光を高めることで解像の形状が小さくなるという現象が得られるという。
この現象を同研究グループは「PROVE(Proportional Velocity)」と呼ぶ。

 研究グループは今後、今回の新しい技術をこれまでのようなポイントツーポイントの実証ではなく、
ウエハースケールで評価する予定だ。また、RAPIDの実用化については、今後約10年以内に実現できるとみている。

R. Colin Johnson:EE Times (翻訳 田中留美、編集 EE Times Japan)

▽画像 選択的メタライゼーション後にMAP(Multi-photon Absorption Polymerization)を適用して作製した微小コイル
http://www.eetimes.jp/files/images/news/201102/110215_rcj_photon_590.jpg

▽動画 Fourkas教授による可視光によるナノフォトリソグラフィについて解説
http://pubs.acs.org/page/jpclcd/fourkas-video.html

▽記事引用元 EE Times Japan(2011/02/15)
http://www.eetimes.jp/news/4588


2名無しのひみつ:2011/02/17(木) 23:35:16 ID:WLX6wFe8
なにがなにやら
3名無しのひみつ:2011/02/17(木) 23:53:05 ID:8thN0X/D
解像度はどこまで小さくできるんだろう。

スループットは下がるんだろうか。
4名無しのひみつ:2011/02/17(木) 23:54:10 ID:3WTptfOg
低画質の動画に適用出来るのかな?
5名無しのひみつ:2011/02/17(木) 23:55:37 ID:QzPtpsYA
何言ってんのかちょっと意味わかんない
6名無しのひみつ:2011/02/18(金) 00:02:41 ID:CXMuxDoG
メリーランド大と聞くと、80年代後半のNFLシンシナティのQB、アサイアソンを思い出す。
7名無しのひみつ:2011/02/18(金) 00:04:24 ID:3EcOIDyk
天体写真やら顕微鏡写真で、本来の色調に近い色と高解像度を両立できる領域が増えるってことかいな?
8名無しのひみつ:2011/02/18(金) 00:04:32 ID:zlnzwhFm
よくわからん…
ビームを2つ以上使ってそれを集光させNAが上がったように見せかけるってことか?
で、ピンポイントの露光方法なんでチップ全体を一気に露光は出来ないと
なんか電子線と同じ欠点を持ってるような。
9名無しのひみつ:2011/02/18(金) 00:20:13 ID:w9z/pmxN
フォトリソグラフィ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%BD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3

>フォトリソグラフィ(英: Photolithography)は、感光性の物質を塗布した物質の表面を、パターン状に露光(パターン露光、像様露光などとも言う)することで、露光された部分と露光されていない部分からなるパターンを生成する技術。
主に、半導体素子、プリント基板、印刷版、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネルなどの製造に用いられる。

短い波長の光を使わなくても、可視光で微細な基盤とかが作れるよ、という話じゃないのかな。
10名無しのひみつ:2011/02/18(金) 00:23:01 ID:zn104yRJ
多光子吸収できる化合物ってどんな構造なんだろ

>>9
短い波長の光を使えばいいじゃん、って話にならないの?
11名無しのひみつ:2011/02/18(金) 00:23:42 ID:aVlGfomi
ちまちま走査していくしかないのか。

これも最終的に紫外線2ビームになったりしたら
結局真空環境が必要になるんじゃないのか?w


なるほどざわーるどで旭化成のCMで
光を当てたらハンコになるとかいうのあったの思い出したw
12名無しのひみつ:2011/02/18(金) 00:27:09 ID:+om/Wdts
>>9
たった1行で理解できたトンクス

アホ記者は>9を見習え
13名無しのひみつ:2011/02/18(金) 00:29:01 ID:aVlGfomi
>>10
酸素と窒素に吸収される領域になるから
真空じゃないと使えん、コスト高い、
今回のは可視光でも行けるから空気中でおっけーよって話
14名無しのひみつ:2011/02/18(金) 00:29:36 ID:w9z/pmxN
>>10
実際に作れる短波レーザにも限界があるので、それ以上のことができると期待されてるんじゃねぇ?
それと波長が短くなればなるほど必要なエネルギーも大きくなるので、可視光のほうが低コストとかもあると思う。
15名無しのひみつ:2011/02/18(金) 01:23:24 ID:PY+GoUkl
シリコンの板の表面に感光物質を塗って回路の形に光を当てて焼き付けるとCPUが出来上がるんだが
より回路の集積度をあげようとすると、光の波長を短くしなければいけなかった(紫外線寄りの光)のを、
レーザー当ててるところだけに感光するような仕組みをつくりましたよ、と。
(参照 http://ja.wikipedia.org/wiki/フォトリソグラフィ
16名無しのひみつ:2011/02/18(金) 01:37:22 ID:2pCTh9o7
マスク使わないの?
17名無しのひみつ:2011/02/18(金) 01:57:02 ID:7Ua9PBHG
>>12
背景技術部分は一般常識だから省かれてるだけ
18名無しのひみつ:2011/02/18(金) 05:07:24 ID:cG0WfnIE
これって光ディスクに応用出来ないかな?
19名無しのひみつ:2011/02/18(金) 07:38:55 ID:LGNu9TWl
>Fourkas教授は、「顕微鏡の対物レンズを通してレーザービームを集光すれば、光の吸収をこの非常に 
>小さな領域に閉じ込め、このレーザーの焦点体積ちょうどの大きさに制限できる」と述べる。 

こりゃ当たり前の話じゃねーか

多光子フォトレジストって話は、露光量が光の強さの2乗と照射時間で決まるので、焦点
体積内の特に光子の密度が高いところだけ露光させられるってことなんじゃねーの?

>>8
>で、ピンポイントの露光方法なんでチップ全体を一気に露光は出来ないと 
>なんか電子線と同じ欠点を持ってるような。 

チップ全体を一気に露光して細い線を作ることまではできても、細い線を狭い間隔で並べ
ることはできないよな

でも、複数回露光すれば、なんとかなるかも

あと、真空はいらないようだ
20名無しのひみつ:2011/02/18(金) 08:13:12 ID:YuZXn6sL
>>7
当たらずとも遠からず、といったところだ。
色調は関係ないが顕微鏡の高解像化技術と>>1は密接な関係がある。

ビデオを見る限り、>>1は既に実用化されている2光子顕微鏡とSTED顕微鏡を
合わせたような技術だと理解できる。

>>10
>多光子吸収できる化合物ってどんな構造なんだろ

基本的になんでもそのまま使える。
1光子で300nmを吸収する物質なら、2光子は600nm、3光子は900nmでいい。
ただしケタ違いに強い光を照射する必要がある。
普通に当てたら材料が焼けてしまうから、光を超短パルスにして、
光の平均強度は上げずに瞬間的な強度を上げている。
21名無しのひみつ:2011/02/18(金) 08:43:04 ID:viPZ76y4
もし波長の制限を超えて加工や記録できるとすると
「ブルーレイ」のような波長の短い青色LEDを使わない、
画期的な大容量光ディスクができる、ということに
ならないかにゃ
22名無しのひみつ:2011/02/18(金) 09:31:06 ID:YuZXn6sL
>>21
多光子吸収を使った光記録素子の研究は盛んに行われている。
波長の制限を外すというより、多層記録が可能という利点からの研究が主だけど。
「多光子 記録」とかでぐぐってみるといい。

たぶん、一番の問題は、多光子吸収を起こせるレーザーがひどく高価なこと。
高級車か安い家が買えるくらい。
23名無しのひみつ:2011/02/18(金) 09:50:38 ID:zPIkeRtz
日本光学、キャノン、ウシオ電機、露光機関連株はウリですね。
24名無しのひみつ:2011/02/18(金) 09:58:11 ID:OVE10oP2
二光子干渉の干渉周期が、一光子干渉の周期の半分になることを利用した
ものだな。

だけど、それだけ一様で強度の強いレーザー光を作るのに使うレーザー技術
となると想像を絶する。(2,3センチ角なら実験室レベルで作れそう)

どの基板サイズを想定しているんだろうか?
25名無しのひみつ:2011/02/18(金) 23:46:52 ID:79Kz4XYX
露光に使う光子のエネルギーの二倍のエネルギーのやり取りではじめて
感光するような分子を使ったレジストを用いてやると、1光子吸収では
感光しないが、絡み合った二つの光子がレジストの媒質中で非線形効果で
二個分のエネルギーを持った光子と同じ作用をする。つまり波長が半分の
光を当てたのと類似の効果を示すために、解像度限界がほぼ半分になる。
26名無しのひみつ
レーザーでいいなら電子ビーム露光だっていまごろ大々的に使われてるわい