ある細胞がさまざまな病原体を攻撃する免疫細胞として知られる「T細胞」に育つかどうかわからない
段階で、「クローディン4」というタンパク質がT細胞に成長する素質があるかどうかを選択する役割を
果たしていることを、京都大学大学院医学研究科の湊長博教授らの研究グループがつきとめた。
免疫力の強弱を解明するのにつながる成果で、日本時間の15日に米国科学アカデミー紀要(電子版)で発表する。
新生児のときに活発な動きをみせ、大人になるとなくなっていく「胸腺」といわれる臓器の中で、
T細胞になるかどうかの選択が行われている。
T細胞の前駆細胞は胸腺の中で9割近くが脱落するが、約1割はさまざまな病原体に対応するT細胞に成長する。
T細胞に成長する可能性を持つ細胞がどう選択されるのかはこれまでわかっていなかったが、
マウスの研究から、細胞の接着に強く影響している「クローディン4」が発現している前駆細胞が
T細胞に成長していることが判明した。
研究の中心となった同研究科の浜崎洋子准教授は「高齢化すると免疫力は落ちていくが、
これにもクローディン4がかかわっている可能性があり、今後、研究を続けていきたい」と話している。
▽記事引用元 産経新聞(2011.2.15 09:41 )
http://sankei.jp.msn.com/science/news/110215/scn11021509420000-n1.htm ▽ PNAS
「Claudin-4 induction by E-protein activity in later stages of CD4-8 double-positive thymocytes to increase positive selection efficiency」
http://www.pnas.org/content/early/2011/02/14/1014178108.abstract