海洋深層水 認知症に効果 マウス実験 脳に刺激 名市大グループ
名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授(57)と原田直明准教授(43)らのグループが、
海洋深層水を飲むと、認知症やうつ症状の改善に効果があるとする研究結果をまとめた。研究論文
は米科学学会誌に掲載される。
海洋深層水にはミネラルが豊富に含まれているが、岡嶋教授らのグループは、ミネラルの影響を
取り除くため、海洋深層水を蒸留し、水分子のみの蒸留海洋深層水を用意。その海洋深層水を与え
たマウスと、普通の水を与えたマウスを、水から避難できる台を1か所設けた水槽(直径1メートル50)
で1日1回泳がせ、台へ避難するまでにかかった時間を計った。
すると、海洋深層水を与えたマウスは3日目には16秒で台に避難し、普通の水を与えたマウスより
3倍速かった。
岡嶋教授は、「蒸留海洋深層水を飲んだマウスは、学習能力が明らかに高まった」としている。
また、マウスの知覚神経を培養し、その海洋深層水を加える実験をしたところ、記憶や学習機能を
つかさどる脳の海馬を刺激するたんぱく質の放出量が増加。その結果、海馬では、血管や神経を再生
させるたんぱく質「IGF―1」が増えたという。
岡嶋教授は、「海洋深層水は、海馬の機能改善に効果があることがわかった。認知症やうつ症状の
予防や改善に役立つ」と話し、「海洋深層水を飲むと、海馬だけでなく全身のIGF―1も増加する。育毛
や美肌効果も期待できる」としている。
(2011年2月23日読売新聞)
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/110223_2.htm