★脳出血起こす因子特定 新潟大研究グループ
脳梗塞の治療で、血栓溶解療法の弱点とされる脳出血は、血管内皮細胞増殖因子
(VEGF)というタンパク質が引き金になり起きることを新潟大脳研究所神経内科の
下畑享良准教授らのグループがラットを使った研究で突き止め、米国の学術誌に10日、
発表した。
新潟大によると、脳出血のメカニズム解明は世界初で、脳梗塞治療の飛躍的向上の
糸口になる成果という。
脳梗塞の治療は、できるだけ早い血流の再開が重要で、発症3時間以内なら治療薬
「組織プラスミノゲン・アクチベーター(tPA)」で血栓を溶かすのが有効。だが時間の経過で
血管が破れ、脳出血を起こす可能性が高まるため、脳梗塞患者全体の2、3%しか使用できていない。
下畑准教授らは、ラットの脳の血管に血栓を注入し、ヒトの脳梗塞に似た状態を人工的に作成。
4時間後に(1)tPAだけを注射(2)VEGFの働きを抑える抗体をtPAとともに注射(3)VEGFの
活性化を抑える薬をtPAとともに注射―して、それぞれのラットを比べた。
その結果、抗体か薬を注射したラットは脳出血が抑えられ、治療可能な時間も延長できた。
下畑准教授は「ヒトによる臨床試験が必要だが、この治療法が確立されれば、発症までの時間を
6〜8時間延ばせるのではないか」としている。
2011/02/10 20:15 【共同通信】
▽ソース (47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011021001000750.html