紅麹菌のゲノム解析 TTCなど世界で初 商品開発に期待
2011年1月3日 09時47分
トロピカルテクノセンター(TTC)、琉球大学、沖縄科学技術振興センターはこのほど、
豆腐ようの原料として使われる「紅麹菌(べにこうじきん)」のゲノム(全遺伝子情報)を
世界で初めて解析した。紅麹菌には、血圧上昇抑制や血糖値上昇抑制などの機能性
もあるとされ、TTCは「有用な遺伝子の働きを突き止めることで紅麹の付加価値を高め、
新たな医薬品の候補物質の発見も期待できる」としている。
研究は、実際に豆腐ようの製造に用いられている紅麹菌株の遺伝子を抽出し、
県が2008年3月に全国に先駆けて導入したゲノム解析機器「次世代シーケンサー」を
使って解析した。
これまでに解析を終えている黒麹や黄麹とは分類学的にも大きく異なる紅麹菌は、
比較の対象がなく解析は困難とされたが、今回の成功により、国内における沖縄の
バイオ研究水準のレベルの高さを証明した。
TTCの塚原正俊氏は「県内のバイオ関連におけるノウハウの蓄積や、人的資源の養成に
大きく貢献した」とアピールしている。
今回の解析で、紅麹菌にコレステロール低下作用を持つ有用物質「モナコリンK」生成の
遺伝子情報が含まれていることをあらためて確認すると同時に、多数の未知の遺伝子の
存在も確認できたという。塚原氏は今後について「100種類以上ある紅麹菌の比較ゲノム
解析を進め、豆腐ようをはじめとする商品への応用と、新たな商品開発、医薬品につながる
遺伝子情報の獲得を目指す」としている。
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▽記事引用元 沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-01-03_13365/ ▽関連
日本生物工学会
次世代シーケンサによる紅麹菌Monascus pilosusのde novo解析(pdfファイル)
http://www.sbj.or.jp/2010/wp-content/uploads/file/program/topics_21.pdf *ご依頼いただきました。