◇不貞の原因は遺伝子にある?
一部の人が不貞(infidelity)や乱交(promiscuity)に走りやすい理由は、遺伝子によって説明
できる可能性が新しい研究により報告され、オンライン科学誌「PLoS One」に11月30日掲載された。
今回の研究では、若年成人181人を対象に、これまでの性経験および交際歴について完全な
情報を提供してもらうとともに、DNAを分析。その結果、ドパミンD4受容体(DRD4)遺伝子が
性的行動に大きく関与しているとの結論に達したという。
過去の研究から、DRD4遺伝子とギャンブルやアルコール摂取などの刺激を求める行動に
関連のあることが示されていたが、「今回の研究で、DRD4の特定の多様体(variant)をもつ
個体は、一夜限りの関係や背信行為など、不特定の相手との性経験をもつ比率が高いことがわかった」
と、研究を率いた米ニューヨーク州立大学ビンガムトンBinghamton校のJustin Garcia氏は述べている。
「その動機付けは、ドパミン放出が行われる快楽系および報酬系より生じるものと思われる。
不特定の相手との性行為の場合、リスクが高く、報酬が大きく、動機付けが変わりやすい。
ドパミンの放出を確実なものとする要素が揃っている」とGarcia氏は説明している。
ただし、この知見を不貞の言い訳にすべきではないと、Garcia氏は強調している。
「この遺伝子型(genotype)をもつ人が必ずしも不貞を犯すわけではく、もたない人でも
不貞の経験のある人も多い。今回の研究は、単にこの遺伝子型をもつ人がそのような
行動をする確率が高いことを示したに過ぎない」と同氏は述べている。
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▽記事引用元
http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm?i=20101209hk001hk NIKKEINETいきいき健康(
http://health.nikkei.co.jp/)配信記事
▽関連
PLoS One
Associations between Dopamine D4 Receptor Gene Variation with Both Infidelity and Sexual Promiscuity
http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0014162