甲南大先端生命工学研究所(神戸市中央区)と中国科学院の研究グループは、
がんの指標となるタンパク質の新しい検出法を開発した。
従来の方法より精度が10倍以上高いといい、がんの早期発見に役立つことが期待される。
論文がドイツの化学誌「アドバンスド・ファンクショナル・マテリアルズ」電子版に掲載された。
このタンパク質は「サイクリンA2」と呼ばれ、別のタンパク質と結合して細胞の分裂や増殖を制御する。
サイクリンA2が異常に多いことががんの指標となるが、炭素素材と結合させて検出する従来の方法では結合力が弱く、
一部しか検出できなかった。
同研究所の杉本直己所長らは、サイクリンA2と結合する別のタンパク質の一部をまねて、
アミノ酸の人工物を作製。結合力を強化し、蛍光物質を加えた。この人工物は、
今年のノーベル物理学賞の受賞対象となった新炭素素材「グラフェン」と結合すれば光らなくなり、
サイクリンA2と結合すると逆に強い光を放出。採取した血液などに人工物とグラフェンを投与すれば、
サイクリンA2だけが光って数多く検出できるという。
杉本所長は「検出法が単純なので、利用しやすいのではないか。
今後、別の病気の原因物質を検出することにも使えるようにしたい」と話す。(金井恒幸)
▽記事引用元 神戸新聞(2010/12/09 08:45)
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/0003663170.shtml ▽Advanced Functional Materials
「Ultrasensitive and Selective Detection of a Prognostic Indicator in Early-Stage Cancer Using Graphene Oxide and Carbon Nanotubes」
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201001118/abstract 依頼がありました。
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1286952297/387