◇鶏卵抗体でインフルエンザを予防
機能性食品素材開発のファーマフーズ(京都市西京区)や京都府立医科大などが、
インフルエンザウイルスの感染を抑制する鶏卵抗体の開発を進めている。
鶏卵抗体が新型インフルエンザウイルスの増殖を短時間で抑える効果をこのほど確認し、
早期の実用化を目指している。
鶏卵抗体は卵から得る抗体。鶏にウイルスや細菌を注入した際、体内にできる抗体が
鶏の産む卵に移行する働きを利用して作る。すでにピロリ菌に対する抗体や、
歯周病に対する抗体などが開発され、実用化されている。
今回の開発は、ファーマフーズや京都府立医科大、大阪大などが研究チームをつくり、
約2年前から進めている。鶏に新型や季節性のインフルエンザウイルスを注射し、
産まれた卵からインフルエンザウイルスに対する鶏卵抗体「IgY」を作製。
抗体と新型インフルエンザウイルスを、犬の腎臓細胞に注入する実験を行い、
抗体が30秒以内にウイルスを中和し、感染を抑制するとの結果を得た。
抗ウイルス効果を持つ食品素材には、茶に含まれるカテキンがあるが、効果が表れるまでに
約30分かかるといい、同社は「IgYは極めて短時間で効果的にウイルス感染を抑制すること
が確認できた」とする。抗体が口の中で唾液(だえき)に触れても、抗ウイルス効果が5時間
以上持続することも確認した。
同社は、抗体をトローチやあめ、ガムなどに混ぜて摂取してもらう食品素材として販売する
計画で、「来年中の販売開始を目指す」としている。
【 2010年11月27日 09時18分 】
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▽記事引用元
http://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20101127000029 京都新聞(
http://www.kyoto-np.co.jp/)配信記事