植物が自らの花粉で受精(自家受精)せず、近親交配を防いでいる仕組みを、
奈良先端科学技術大学院大と千葉大、米ペンシルベニア州立大のチームが
園芸品種のペチュニアで解明、5日付の米科学誌サイエンスに発表した。
リンゴやナシなどの作物では、ほかの木の花粉を手作業で受粉させる
必要があるが、自らの花粉で受精するように品種改良すれば手間が省け、
生産コスト削減につながる可能性がある。
ペチュニアの花粉とめしべにはそれぞれ、受粉にかかわるタンパク質があり、
同じ個体や遺伝的に近い花粉がめしべに付いた場合は、めしべのタンパク質が
つくる毒素で花粉は殺され、自家受精しない。
それ以外の花粉では毒素を壊して受精し、種子が作られる。
チームは花粉のタンパク質が6種類以上あることを確認。うち3種類で、
花粉側のタンパク質が、めしべの遺伝的性質が違うことを感知したときにだけ
解毒され、受精することを突き止めた。これまで花粉のタンパク質は1種類と
考えられており、花粉側の解毒作用が働く仕組みはよく分かっていなかった。
植物が自家受精しない仕組みの解明に使われたペチュニアの花(奈良先端科学技術大学院大提供)
http://img.47news.jp/PN/201011/PN2010110401000761.-.-.CI0003.jpg ▽記事引用元 : 2010/11/05 03:02 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110401000725.html