早くも落葉・もう開花 猛暑と毛虫で京サクラン
今夏の猛暑と毛虫の大量発生の影響で、早々と落葉するサクラの木が京都市内で目立っている。
府立植物園(左京区)や鴨川沿いでは早くも丸裸になった木も現れた。
一方、季節はずれの花を咲かせる木もある。専門家は「今は本来なら活発に光合成をする時期。
サクラの健康に悪影響が出かねない」と懸念している。
70品種約500本がある府立植物園の桜林では、ソメイヨシノを中心に異変が起きている。
9月中旬から落葉が目立ち、地面には落ち葉がたまり、まるで初冬のような光景となっている。
京都土木事務所や京都市によると、鴨川沿いや市内の公園のサクラにも葉が少ない木が出てきている。
8月末以降、毛虫モンクロシャチホコのが大量発生し、葉を食い荒らしたこと影響も大きいよう。
市北部みどり管理事務所は「ほとんどのサクラの木に毛虫が付いている」と話す。
「毛虫が大量発生した原因は分からない」(伊丹市昆虫館)が、落葉について府立植物園の
小倉研二樹木係長(49)は「水不足からの木の自己防衛機能」とみる。
府立植物園の場合、今夏の猛暑に加え、雨が少なく、地中の水分が少なかった。木は枯れるのを
防ぐために自ら葉を落とし、水分の蒸散量を調節する。小倉係長は「サクラは根が浅く、
地表でしか水を集められないため、乾きに弱い」と話す。
一方、西京区大原野の小畑川右岸では、葉を失ったサクラの木2本が季節はずれの花を咲かせている。
府立植物園によると、秋咲きのサクラが早く開花したか、春に咲く木の「狂い咲き」という。
落葉によってつぼみの休眠を維持するホルモンが失われ、今月に入っての気温差も相まって開花したとみられる。
小倉係長は「今年は早く落葉した木が多い。今後『狂い咲き』が増える可能性がある」と話している。
▽ ソース 京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20100923000111 ▽ 画像
http://www.kyoto-np.co.jp/picture/2010/09/20100923192026.jpg 初冬のように落葉し、丸裸になったソメイヨシノの木(京都市左京区・府立植物園)=写真左。
季節はずれの花を咲かせているサクラ。葉はほとんど落ちている(京都市西京区・洛西ニュータウン)
依頼を受けて立てました。