胃の粘膜を修復する働きがある酵素を、
東京都臨床医学総合研究所などの研究チームがマウス実験で突きとめた。
胃潰瘍(かいよう)などの治療や予防への応用が期待される。
米学術誌プロス・ジェネティクスに発表した。
胃は、細菌や胃液などから粘膜を防御したり、修復したりするため、
粘液を分泌している。出血性の胃疾患は粘液の成分などに問題があると生じる。
研究チームは、胃粘膜表面の粘液分泌細胞がつくる酵素「カルパイン8」「同9」に着目。
これらの酵素を作れないように遺伝子操作したマウスにアルコール濃度40%の溶液を飲ませたところ、
胃粘膜に損傷がみられた。
一方、酵素を作れるマウスに同じ濃度のアルコール溶液を飲ませても、胃はほぼ正常だった。
2種類のカルパインは一体となって、傷ついた胃粘膜を修復すると考えられるという。
チームの反町洋之参事研究員は「遺伝子のわずかな個人差で酵素の効き方が異なるため、
体質に応じた胃疾患の診断や予防につながる」と話している。
▽記事引用元 : (2010年8月13日14時06分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100813-OYT1T00465.htm 東京都臨床医学総合研究所
http://www.rinshoken.or.jp/