【生物物理】筋肉が高いエネルギー効率で活動する仕組みを分子レベルで解明/東大

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1白夜φ ★
◇筋肉活動は「エコ的」=高エネルギー効率を解明−東大
 
筋肉が高いエネルギー効率で活動する仕組みを分子レベルで解明したと、
東京大大学院理学系研究科の樋口秀男教授(生物物理学)らが
6日付の米科学誌サイエンスに発表した。
効率が良い人工筋肉の開発などに応用が期待できるという。
 
樋口教授によると、自動車エンジンのエネルギー効率が約15%なのに比べ、
筋肉は約50%にもなるが、その仕組みは長年の謎だった。
 
樋口教授らは、筋肉が伸縮する際に動くたんぱく質「ミオシン」に注目した。
筋肉は力を出す際に収縮するが、その際、数十ナノメートル(ナノは10億分の1)ほどの
大きさのミオシン分子が持つバネのような構造物が伸びて、別のたんぱく質「アクチン」の
繊維と結合し、この繊維を動かすことで筋肉も動くことがこれまで分かっていた。
 
樋口教授らは、高精度の特別な顕微鏡を使い、ウサギの筋肉の動きを観測。
その結果、ミオシンの「バネ」は、筋肉が収縮する際には伸びて硬くなる一方、
逆に筋肉が力を出し終えた時は、ひものように柔らかくなっていた。
ミオシンは1回の動きでアクチン繊維を約8ナノメートル動かすことも確かめられた。
(2010/08/06-07:07)

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▽記事引用元
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201008/2010080600075
時事ドットコム(http://www.jiji.com/)配信記事

▽関連
・東京大学大学院理学系研究科・理学部
筋肉が高エネルギー効率である仕組みを分子レベルで解明
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/press/press-2010-32.html
・Science
Nonlinear Elasticity and an 8-nm Working Stroke of Single Myosin Molecules in Myofilaments
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/329/5992/686