【スポーツ工学】W杯で話題 「ぶれ球」と呼ばれる無回転のシュートの原理 科学の視点から解析/山形大

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1白夜φ ★
◇サッカーW杯公式球「ジャブラニ」 ぶれ球の不思議に迫る

サッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で話題となり、
日本代表の本田圭佑選手が得意とする「ぶれ球」と呼ばれる無回転のシュートの原理について、
山形大地域教育文化学部の瀬尾和哉准教授(流体力学、スポーツ工学)が科学の視点から解析し、
6日発表した。放たれたボールが進む方向の裏側に生じる空気の渦が、不規則な揺れを
生み出す要因だという。

瀬尾准教授は南ア大会の公式球「ジャブラニ」などを使って実験。
回転しない状態で風やレーザー光を当て、周囲の空気の流れを分析した。
 
ボールの両脇から後ろに空気が流れると、裏側に低圧の空間が発生。
周囲の空気を巻き込むようにしてU字形の渦が生まれる。
この渦が不規則に向きを変えることで空気の流れが変化し、ぶれが生じるという。
 
渦を発生させるには、スピンをかけずにボールをけるほか、ボール自体も凹凸が少なく
理想的な球体に近くなければならない。ジャブラニは少ないパネルを機械で張り合わせて
作られており、球体に近いとされる。
 
瀬尾准教授によると、金属球を使って渦を発生させた先行研究はあるが、
サッカーボールで証明したのは初めて。
 
W杯でぶれ球が目立ち始めたのは2006年ドイツ大会から。ドイツ大会の公式球と比べ、
ジャブラニは空気抵抗が小さく、「スピードが落ちず、よりゴールに近い地点でぶれる特徴がある」
(瀬尾准教授)という。本田選手がW杯のデンマーク戦で決めた先制ゴールも、無回転でぶれる
ように落ちている。
 
瀬尾准教授は研究成果について「アドバルーンや飛行船を安定させる技術などにも
応用できる」と話している。

[ジャブラニ] ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の公式球。
同国の公用語の一つ、ズールー語で「祝杯」の意。
皮革パネルはわずか8枚で、ドイツ大会の「チームガイスト」より6枚少ない。
GKには扱いが難しいため不評で、実際にW杯の試合でファンブルによる失点もあった。

2010年07月07日水曜日

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▽記事引用元
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/07/20100707t54013.htm
河北新報社(http://www.kahoku.co.jp/)配信記事

ぶれ球の原理について説明する瀬尾准教授
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2010/20100706022jd.jpg