日本人にも「スポーツ遺伝子」 元五輪選手から発見
2010年6月20日19時15分
日本人の元五輪選手約140人と一般の人を比べたところ、
スポーツ選手に特徴的な遺伝子型が見つかった。
母親から子どもに受け継がれるDNA(デオキシリボ核酸)の個人差が、
瞬発力や持久力に関係するらしい。
東京都健康長寿医療センター研究所などのチームが16日、
英国の専門誌(電子版)に発表した。
運動能力は父親より母親の影響を受けるとの疫学的な研究があるため、
チームは、母から子に引き継がれる細胞内のミトコンドリアDNAに注目して、調べた。
本人の了解を得て日本人の陸上長距離、短距離選手やサッカー、バレーボールなど
元五輪選手139人と、DNAデータベースに登録された一般の日本人672人の遺伝子型を比べた。
日本人のミトコンドリアDNAの型は個人差によって約10種のグループに分けられるが、
この中で、ある特定のグループは、瞬発力の必要な種目の選手の割合が一般の人に
比べて、約2.8倍だった。別のグループでも、持久力の必要な種目の選手の割合が、
約2.5倍だった。
同研究所の福典之研究員は、遺伝子による選手の選抜はすべきでないと断った上で
「今回の成果は個人のトレーニング方法への応用につながるかもしれない」と話している。
運動能力は練習や食事など環境に大きく左右されるが、遺伝子との関係も注目されている。
「スポーツ遺伝子」の候補は欧米人を中心に多数報告されているが、アジア人の研究は
まだ少ない。(小堀龍之)
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▽記事引用元
http://www.asahi.com/science/update/0616/TKY201006160477.html asahi.com(
http://www.asahi.com/)