平成22年3月25日
独立行政法人 農業生物資源研究所
窒素の有効利用のためのイネ独自のしくみを発見
- イネの生産性向上に期待 -
---------------------------------------------------------------
ポイント
?葉で働くイネ特有の酵素を発見。
?この酵素は、肥料三要素のひとつである窒素の利用に重要な役割を担うことを発見。
?イネの生産性向上に期待。
---------------------------------------------------------------
概要
農業生物資源研究所は、理化学研究所及び神戸大学と協力して、
イネが窒素を有効に利用するための独自のしくみをもつことを見出しました。
植物は、光合成で大気中の二酸化炭素を固定して、糖やデンプンなどの炭水化物をつくります。
また、炭水化物と土壌から吸収した窒素を利用して、
アミノ酸、タンパク質、核酸などさまざまな物質をつくりだします。
これらのしくみは、ごく一部の例外を除いて、すべての植物に共通と考えられていました。
ところが、今回発見した葉で働くイネ特有の酵素は、土壌中の窒素化合物であるアンモニアを
利用する際に必要な炭素化合物をつくる働きをもち、そのしくみは、水田でアンモニアを
有効利用するためのイネ独自のものであることがわかりました。
植物の生産性は、光合成で炭素を取り込む能力だけでなく、窒素を利用する能力にも
大きく依存しています。今回発見した酵素は、光合成と窒素の利用という、生産性に密接に
関わるふたつの過程をつなぐ重要な役割をもつことが明らかにされました。
この成果は、イネの生産性の向上に新たな道を拓くものと期待されます。
この成果は、2010年3月16日に米国科学アカデミー紀要(PNAS)で公開されました。
(以下省略。引用元参照)
▽記事引用元
http://www.nias.affrc.go.jp/press/20100325/ 独立行政法人 農業生物資源研究所(
http://www.nias.affrc.go.jp/)
▽関連リンク
・引用元 参考資料
http://www.nias.affrc.go.jp/press/20100325/ref.pdf ・PNAS
Phosphoenolpyruvate carboxylase intrinsically located in the chloroplast of rice plays a crucial role in ammonium assimilation
http://www.pnas.org/content/107/11/5226