「ひので」衛星、太陽極域に強い磁場を発見!
国立天文台を含む日米欧国際研究チームは、太陽観測衛星「ひので」に搭載された可視光・磁場望遠鏡により、
これまで困難であった太陽極域の磁場の観測を行い、太陽の極域には、黒点並みの1000ガウスを超える
強い磁場が存在することを発見しました。
この成果は、「ひので」衛星によって鮮明な太陽極域の画像を取得することに、世界で初めて成功した結果もたらされたものです。
観測の結果、今回発見された磁場は、斑点状の形状をしており、太陽の極域全域に存在します(図参照)。
これらの斑点状磁場は、大きさと寿命が黒点に比べて非常に小さいという特徴があります。
「ひので」衛星による観測結果が明らかになる前は、太陽極域には広がった弱い磁場しか存在しないと考えられていました。
つまり、今回の研究成果は、これまでの太陽極域に対する認識に変更を迫る極めて重要な結果と言えます。
太陽の極域の観測は、今後の太陽活動を予測する上でも極めて重要です。
太陽活動は予想以上に静穏な状態を続けており、研究チームは、「ひので」衛星による
太陽極域の精密観測を重点項目として継続しています。
研究チームは、今後の「ひので」衛星による継続的な観測により、
太陽フレアや地磁気擾乱などを引き起こす黒点の形成や、太陽風を高速に加速するメカニズムなどを解明したいと考えています。
さらに、「ひので」衛星の観測データに基づいた研究から、太陽活動周期や太陽の地球環境への影響の理解が進むと期待しています。
▽ソース
http://hinode.nao.ac.jp/news/100309PressRelease/ 図1: 強磁場斑点から伸びる磁力線
http://hinode.nao.ac.jp/news/100309PressRelease/Spole_20100301c2.png 図2: ひので可視光・磁場望遠鏡で観測した太陽極域の磁場
画像は南極を上から見たように座標変換してある。低緯度領域で発生する黒点とは違い、小さいが強い磁場が点在している。
http://hinode.nao.ac.jp/news/100309PressRelease/spole_invBline_mono_cb.png 全文、及び、その他の画像、動画等は、ソース元にてご覧下さい。