脂肪細胞から心筋シート…大阪大、ラットの心筋梗塞改善
人の脂肪にある細胞を心筋細胞に変化させてシート状にし、心筋梗塞を起こしたラットの心臓に
移植して機能を改善させることに、大阪大の澤芳樹教授らの研究グループが成功した。
採取しやすい脂肪を使うため、患者の負担が少ない治療法として実用化が期待される。
19日に広島市で開かれる日本再生医療学会で発表する。
グループは、人の脂肪に含まれる様々な細胞に変化する幹細胞を、心筋細胞に変化させ、
血管新生を促すへその緒の細胞を加えて直径5ミリ・メートル、厚さ0・05ミリ・メートルのシートを作製。
心筋梗塞のラット6匹の心臓に5枚ずつ重ねて張り付けた。
移植をしないラットは4週間以内に大半が心不全で死亡したが、移植したラットは心臓のポンプ機能が回復。
2か月目に麻酔で死んだ1匹を除き、5匹が3〜4か月以上生存した。
澤教授らは、足の筋肉の細胞(筋芽細胞)で作製したシートで拡張型心筋症患者の治療に成功。
しかし、心筋細胞と違って自ら拍動しない筋芽細胞は重い患者の治療には向かないという。
澤教授は「脂肪は安全で入手が容易。
心機能の改善効果もiPS細胞(新型万能細胞)で作った心筋と同程度と考えられる」としている。
(2010年3月5日 読売新聞)
▽記事引用元
http://osaka.yomiuri.co.jp/science/news/20100305-OYO8T00942.htm YOMIURI ONLINE(
http://www.yomiuri.co.jp/)
脂肪細胞を使った心筋シート
http://osaka.yomiuri.co.jp/photo/20100305-926773-1-N.jpg