環境に優しいエネルギーシステムとして注目される燃料電池で、
電力の元となる酸素イオンが低温下でも放出されることを京都大学化学研究所の
島川祐一教授らの研究チームが突き止め、8日付(日本時間)の英科学誌
「ネイチャー・ケミストリー」(電子版)に掲載された。
燃料電池は、酸素イオンが放出されることなどによって電力を発生させる仕組みだが、
通常700度以上でしか放出されないとされていた。低温でも使える燃料電池の完成に近づく発見で、
コスト軽減や省エネ化につながりそうだ。
研究チームは、燃料電池の部品として使われる酸素イオンが含まれた、カルシウムと
鉄からできた化合物を実験で使用。
化合物を約240度の低温状態に保ち、酸素イオンの動きを観察した。
その結果、化合物から酸素イオンの一部が空気中に放たれていることが確認された。
島川教授は「これまで低温下で燃料電池の酸素イオン放出を確かめようとした科学者はほとんどおらず、
盲点だった」と指摘。「二酸化炭素の排出量が少なく、実用化が求められる燃料電池だが、
高温度でしか働かずコスト面などで問題があった。さらなる普及につながる発見」としている。
記事引用元:sankei.jp 2010.2.9 10:17
http://sankei.jp.msn.com/science/science/100209/scn1002091018001-n1.htm *依頼ありました