【昭和基地=南極観測隊同行記者】昭和基地から南へ約25キロ、
岩石が露出する地域「ラングホブデ」で、第51次南極観測隊の陸上生物チームが
生態系調査に当たっている。その中のユキドリの繁殖地「雪鳥沢」では土壌や水を採取。
栄養源の少ない南極大陸で生育するコケ類や地衣類などと、
鳥類のかかわりを探るのが目的だ。
雪鳥沢沿いは緑や黒のコケが広がり、日本庭園のような光景だ。
食用にもなる地衣類のイワタケも分布。寒冷で植物が極端に少ない南極では特異な場所といえる。
一方、石のすき間にはユキドリの白い羽毛が散乱し、朽ちかけた死骸も。
「上流の岩場を繁殖地にしているユキドリが、トウゾクカモメの餌になっている」と
内田隊員は説明する。
雪鳥沢にコケ・地衣類が多い理由はまだ明らかになっていないが、
「鳥類の存在が生物相の豊かさに貢献している」というのが内田隊員らの仮説だ。
沢の水に溶けた死骸やふんを、植物が養分として取り込んでいるとみている。
47NEWS(共同)
http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010010701000850.html