摂氏5度以下の低温で培養したエノキタケの菌糸(キノコに成長する前の状態)に、
肝機能を保護する働きがあることを、関西大化学生命工学部の河原秀久准教授らの
研究チームがマウスを使った実験で発見した。メタボを改善する食材や
新薬の開発につながる成果で、河原准教授は「天然素材を使っており、副作用の心配もない。
将来的には、肝機能保護作用をもつ機能性エノキタケの製造につなげたい」と話している。
■まずメタボ犬・猫ペットフードに
河原准教授らはメタボのマウスを3群に分け、
(1)高脂肪食
(2)普通に培養したエノキタケ菌糸を4%混ぜた高脂肪食
(3)低温培養エノキタケ菌糸を4%混ぜた高脂肪食
−をそれぞれ投与して経過を観察した。
その結果、投与開始後8週間を過ぎたころから(3)のマウスは体重が減少し、
血中のコレステロール量も減り、肝機能の指標となるALTの値も改善した。
(2)のマウスはいずれの項目でも改善はみられなかった。
研究成果について、関大などは特許を出願した。当面は効果が明らかになった
菌糸を大量生産し、メタボの犬や猫用のペットフード開発を目指すという。
研究チームは低温のままキノコの状態にまで育てたエノキタケでも
同様の効果があるか検証する予定。数カ月後には結果が判明する見通しで、
河原准教授は「マウス実験をもとに試算すると、体重60キロの人で1日30グラムの
低温栽培エノキタケを食べれば効果があるはず。数年後の製品化を目指したい」と話している。
ソース:産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/science/science/091211/scn0912111124004-n1.htm