【宇宙】名門「天文学会」が分裂 運営上で意見対立、機関誌も別発行

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1帰社倶楽部φ ★
国内で最も古い天文同好会「東亜天文学会」(本部・大津市)が、運営上の意見対立から幹部が分裂し、
会員向けの月刊機関誌「天界」が別々に発行される異例の事態になっている。

■理事長2人に 和解は宙に?
東亜天文学会は1920(大正9)年9月に、京都大花山天文台(京都市山科区)の初代台長を務めた
故山本一清さんが設立した。会員は、天文愛好家を中心に全国に約900人を数える。「天界」も月刊で
1000号を超える歴史があり、会員が新しい彗星(すいせい)や小惑星の発見を同誌で報告することも多い。

関係者によると、彗星や小惑星の軌道計算の権威として知られる中野主一さん(兵庫県洲本市)が昨年、
理事長に就任した。会が毎年授与している天体発見賞の候補者選考で、対象者を「国内在住」に限定している
会則をめぐって紛糾し、中野さんは今年7月に理事長辞任を表明した。その後、人事が混乱し、
理事長が2人となる「異常事態」となった。

こうした中で、長谷川一郎会長(81)=元大手前大教授(天文学)、神戸市=たちは「天界」の10月号、
11月号を従来通り発行した。これとは別に、中野さんが編集人となって「天界」の10、11月合併号を
発行した。表紙のデザインはほぼ同じで、内容の異なる2誌が会員に届いている。
「天界」は来年1月号から一本化することで双方が合意したというが、和解に向けた話し合いはこれからで、
長谷川会長は「宇宙のロマンを追い求める会でこのようなことが起きたことは残念。一刻も早い解決を目指す」
と話している。

Kyoto Shimbun 2009年12月1日(火)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009120100046&genre=G1&area=S00

東亜天文学会の機関誌「天界」。幹部の分裂で、表紙のデザインはほぼ同じだが、内容の異なる2誌が会員に送られている
http://www.kyoto-np.co.jp/static/2009/12/01/P2009120100046.jpg