>>1のつづき
懐疑派ブロガーの間ではほかに、コロラド州ボールダーにあるアメリカ大気研究センター
(米国の国立研究所)の気候分析部門を率いるKevin Trenberth氏からの電子メールが、
地球温暖化に関する科学的主張が、現実と矛盾していることを示唆するものだと言われている。
[「ボールダーでは記録的な寒さが続いており……われわれの観測システムは不適切だ」と
読める内容。原文に英文あり]
しかしTrenberth氏は、この電子メールが本物であることは認めながらも、ブロガーたちは、
ここで引用されている論文を読んでおらず、電子メールで自分が主張しているポイントを理解していないと
話している。『気候変化プランニングに緊急に必要なこと』というその論文では、地球温暖化を否定するかに
見えるランダムな温度変化はあるが、地球温暖化は続いていると述べられている。
「論文では、気温を適切に追跡できる観測システムはないものの、地球の平均気温以外に、
極地の海氷の溶解、海水面の上昇といった多くの指標において、地球温暖化が進んでいる
兆候がみられると書かれている」とTrenberth氏は言う。
米航空宇宙局(NASA)のゴダード宇宙研究所の研究者Gavin Schmidt氏によると、問題の電子メール群は
気候研究者への痛烈な批判の材料になるものではなく、懐疑派ブロガーらは文脈を無視し、
内容を歪曲した形で読んでいるという。
Schmidt氏は、政治的な操作などが隠蔽されていることは読み取れないと語り、「科学者たちが
科学に関して語っている会話にすぎず、彼らは率直に語っているだけだ。私的な電子メールでは一般的に、
公的なフォーラムの場より個人の考えが自由に出るが、それと同じことだ。一部の引用は文脈から
抜き出されている。科学の世界で使われている言葉が、完全に別の角度から解釈されている」
Trenberth氏もこれに同意する。「全ての電子メールを読めば、科学者たちの発言が一貫していることが
わかるだろう。不幸なことに、人は一部を抜き取って、文脈と関係なくそれを提示することができるのだ」