C型肝炎治療効果、遺伝子の違いで差 事前検査が可能に
2009年9月14日8時41分
C型肝炎の治療が効くか効かないかは、人の遺伝子のわずかな違いが要因の一つになっていることが、
国立国際医療センターの溝上雅史肝炎・免疫研究センター長と名古屋市立大の田中靖人准教授らの
グループの研究でわかった。14日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に発表される。
C型肝炎はウイルスが原因の病気で、日本人に最も多いタイプでは治療薬「インターフェロン」と
抗ウイルス剤「リバビリン」の併用療法が有効とされている。しかし、約20%の患者は効きづらく、
治療を受けてみないと効果がわからなかった。
このため、効きづらい患者は、月数万円の薬代が無駄になったり、発熱やうつ病などの副作用が
出かねない危険を抱えながら治療を続けなければならなかった。近く数千円の遺伝子検査キットが
開発できるといい、治療前に血液を検査することにより、こうした問題を避けられるという。
85〜95%の確率で、事前に薬が効くかどうかの見極めができるとしている。
薬が効かないのは、C型肝炎ウイルスの遺伝子変異が要因との研究がすでにあったが、
約400人の患者の血液を調べたところ、DNAにある個人ごとのわずかな違い
(遺伝子多型)が特定の領域にある人は、ない人と比べ、薬が30倍効きにくかった。(小堀龍之)
▽記事引用元
http://www.asahi.com/science/update/0914/TKY200909130238.html asahi.com(
http://www.asahi.com/)
▽関連リンク
Nature Genetics (
http://www.nature.com/ng/index.html)
Genome-wide association of IL28B with response to pegylated interferon- and
ribavirin therapy for chronic hepatitis C
http://www.nature.com/ng/journal/vaop/ncurrent/abs/ng.449.html