鹿児島大学大学院理工学研究科の隅田泰生(すだやすお)教授(52)が、
微量のインフルエンザウイルスを濃縮して検出する方法を開発した。
隅田教授は「明確な症状が出ている人だけでなく、感染初期の人からも検出が可能。
さまざまなウイルスに対応でき、新型インフルエンザ流行第2波の
水際阻止・早期治療に役立つ」と話す。7
月1日から東京である国際バイオフォーラムで発表する。
隅田教授はウイルスが、周辺の細胞の表面にある糖分子に吸着することに着目。
糖分子を固定化した金のナノ粒子(超微粒子)を作った。このナノ粒子とウイルスを混合すると、
ウイルス表面にナノ粒子が吸着し、重くなって沈殿。
それを集めて濃縮し、遺伝子増幅法(PCR)で調べたところ、従来の1000倍の感度で
ウイルスを検出することに成功した。
濃縮せずに調べる方法では、分からなかったごく微量のウイルスを約2時間で検出できるという。
「従来、検出には1ccにつき1000個のウイルスが必要だったが、1個で可能な計算」(隅田教授)だ。
この方法を使い、だ液中のウイルスを20分程度で検査・確定できる自動検査システムを、
メーカーと共同開発中で「今秋にも実用化させたい」としている。
隅田教授は「実用化すれば、新型インフルエンザが強毒性になった場合、感染者と
同じ飛行機の乗客を簡単に一斉検査することもできる」と話している。
ソース:南日本新聞
http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=17807 画像:ウイルスの分析法
http://www.373news.com/_photo/2009/06/20090630S00-300.gif