シイタケのかさが極端に小さくなったり、茎の形がいびつだったりで商品価値を
失ってしまうのを防ごうと、事前に発生を予測する方法が開発された。
森林総合研究所研究交流室長の馬替(まがえ)由美さんらが成功した。
遺伝子レベルの解析方法を応用したもので、民間の種菌会社でも試験的に導入を始めるなど、
応用に向けた動きが出始めている。
こうした問題が起きる発生率はほぼ1割。ところが、発生不良が25%、
形状の異常が25%に及び、生産の半分を廃棄するようなケースが5年前に起きたという。
形状が悪くても食べられるが、商品価値が大幅に下がってしまう。
馬替さんらは、従来、悪い影響を与えないと考えられていたウイルスが形状を
悪くしていることを発見、遺伝子レベルで解析するRT―PCRと呼ばれる手法で
判別できることを突き止めた。
菌床に植え付ける前の菌の段階で選別する方法の開発につなげた。
森林総研と共同研究を続けてきた北研(本社・栃木県壬生町)は、
試験的に導入し、実用化に向けた選別基準などの検討を始めた。
菌床栽培は、栽培期間を半分近くに短縮できるので増えている。それにつれて原木栽培
より被害が目立つようになったようだ。馬替さんは「この方法を使えば、明らかに
悪さをするウイルスを排除することができる。発症の予防についても精査したい」
と話している。(竹石涼子)
(asahi.com)
http://www.asahi.com/science/update/0620/TKY200906200067.html