琵琶湖南湖の透明度が2008年度平均で、観測史上最高の2・8メートルとなったことが18日、
滋賀県などの水質調査で明らかになった。県は水草の繁殖が透明度の改善につながったとみている。
南湖19地点の昨年度の月別透明度は、10月に最高の3・2メートルを記録。最も低い透明度でも
5月の2・3メートルだった。年度平均では前年度を0・2メートル上回った。濁りの原因となる
浮遊物質量も過去最低値だった。
南湖の透明度は1979年度に現在と同じ地点での観測がスタート。一時は1・6メートルにまで
落ち込んだが、99年度以降は2メートル以上を保ち、改善傾向が続いている。
県によると、94年の大渇水を契機に南湖では水草の繁殖エリアが急拡大。水草が湖底の
泥の巻き上げを抑え、栄養塩を吸収するなどしたため透明度が上向いたという。
南湖5250ヘクタールのうち水草分布面積はここ数年、4000ヘクタールを上回っている。
北湖の透明度は6・0メートルで、前年度を0・6メートル下回った。
県琵琶湖環境部は「南湖の透明度は改善しているが、水の汚れの指標となる
COD(化学的酸素要求量)などは高いままで、生態系全体の監視が引き続き必要」としている。
(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009061900050&genre=H1&area=S00