<ヒカリモ:金色に輝く 伊豆沼の砂泥、発生を確認 実験室で実証 /宮城>
◇山形大研究グループ
山形大理学部の横山潤教授(40)=植物系統進化学=のグループが、栗原市と登米市に
またがる伊豆沼で採取した砂泥から淡水藻類の一種で金色に輝くヒカリモ(光藻)が発生
したことを確認した。実験室での実証で、天然発生ではないが、従来の学術報告例を
見る限り、伊豆沼がヒカリモ確認の北限の地となるという。
ヒカリモは単細胞の光合成植物で、
密集して発生すると水面で光を反射する膜のようになり金色に見える。
横山教授は自然再生法に基づき行政、環境NPO、市民らが協働で沼環境の復元を図る
「伊豆沼・内沼自然再生協議会」のメンバー。伊豆沼の砂泥にどんな植物種子があるか
検証しようと昨夏、同大の実験室でシャーレに砂泥を入れ静置した。1カ月後、光の入る
方向からシャーレを観察すると水面に広がった膜のようなものが黄金色に光って見え、
ヒカリモと確認した。
ヒカリモは学術報告で熊本県から茨城県まで点々と分布するとされ、千葉県富津市の
群生地は国の天然記念物に指定されている。いずれの発生地も洞窟(どうくつ)内など
波風の影響が少ない静かな水面環境で、伊豆沼のような大きな開放水面での確認は初めて。
伊豆沼では密集発生するほど条件がそろわず沼面が光って見えるまでに至らないとみられる。
ただ伊豆沼の周辺には条件の良い水路環境があり詳しい調査を行えば天然発光が確認できる
可能性もあるという。
生物環境の悪化が指摘される伊豆沼だが、横山教授は「ヒカリモの確認は、伊豆沼に
未確認の生物がまだいる可能性を示し研究上の関心を集めそうだ」と話す。
横山教授グループの論文は県伊豆沼・内沼環境保全財団発行の「伊豆沼・内沼研究第3号」
に収載されている。【小原博人】
▽記事引用元:毎日jp(
http://mainichi.jp/)
http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20090617ddlk04040068000c.html