徳島市上八万町の川西遺跡にある河川跡の川岸から、鎌倉から室町時代にかけて修理や拡張を
繰り返しながら構築された石積み護岸遺構が見つかり、県教委が11日発表した。
築造開始は鎌倉初期で、河川の同様の護岸としては国内最古とみられ、
県教委は「わが国の治水技術の発達を考える上で重要」と注目している。
護岸遺構は川に沿った長さが東西45メートル、幅は南北10メートル、高さは最大1・5メートル。
石積みに盛り土を行い、石留め杭などで護岸施設を補強。川の中洲に向けて東西5・5メートル、
南北15メートル以上と推測される突き出し部も確認されているが、こうした形状は河川遺跡では類例がないという。
周辺からは、寺院建築に見られる平安末期の軒平瓦や軒丸瓦のほか、将棋の駒、漆器椀(わん)なども出土。
木製品の中には製作途中のものも含まれ、木製品の生産工房や木材の加工場を統括する寺院勢力が
遺跡近くに存在し、製品の出荷や物資集積のために石積み護岸を整備、船着き場として利用していたことが考えられるという。
県教委は「鎌倉から室町前半の約250年間の石積み護岸の変遷をたどることができ、
治水や土木技術の歴史を考える上で極めて重要な遺構といえる」としている。
現地説明会は14日午前10時〜正午と午後1〜3時。
現場へはJR徳島駅からバスで西光寺橋バス停」下車。雨天決行。
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090611/acd0906112254004-n1.htm