2009/6/10 AFP BB News
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2610062/4249165 オリオン座のベテルギウス、この15年で15%の謎の「縮小」
【6月10日 AFP】
オリオン座の赤い一等星「ベテルギウス(Betelgeuse)」の大きさが過去15年間で15%以上も縮小しているとの研究結果が、
米カリフォルニア(California)州パサディナ(Pasadena)で9日開催された米天文学会(American Astronomical Society、AAS)の会合で発表された。
縮小の理由はまだ解明されていないという。
ベテルギウスは赤色超巨星で、その直径は太陽から木星軌道にまで及ぶ長さになるとされる。
だが、1993年以降の15年間で太陽から金星軌道までに相当する距離が縮小したことが、
南カリフォルニアのウィルソン山(Mount Wilson)頂上にある
米カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)の
赤外空間干渉計(Infrared Spatial Interferometer、ISI)による計測で明らかになった。
1964年にレーザーの発明でノーベル物理学賞を受賞した同大のチャールズ・タウンズ(Charles Townes)教授によると、
縮小は徐々に進んでいるが、年がたつにつれその速度は速まっているという。
また教授は、近年になってこの星の表面に非常に明るい部分を確認しているが、星の変形は今のところ観測されていないという。
また、縮小にもかかわらず、光度の大幅な減少は見られないという。
赤色超巨星は、質量の大きい星が内部崩壊を起こして大爆発を起こす、いわゆるタイプ2型の超新星になると考えられている。
ベテルギウスは、全天で最も明るい星のベスト8に入るが、こうした星で測定が行われたのは、ベテルギウスが初めて。
ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope、HST)による観測も行われている。(c)AFP