国立病院機構徳島病院(吉野川市鴨島町敷地)は、神経の難病「パーキンソン病」専門の
リハビリセンターを開設した。センターでは、家庭用ゲーム機を使って病気進行要因のストレスを
解消するリハビリを実施、薬物療法に並ぶ新たな治療法として確立を目指している。
徳島病院によると、神経難病を対象にした本格的なリハビリは全国でも珍しいという。
センターは症状の軽い患者が対象で、神経内科医と言語、作業、理学各療法士の計16人で運営。
リハビリに取り組む入院期間は4週間で、その間に独自のメニューに取り組んでもらう。
本年度は60人を受け入れる見込み。
メニューは患者一人一人に合わせ、柔軟体操や発声練習などの基礎訓練と、
ストレス解消を目的とした訓練を組み合わせる。
ストレス解消方法として、バランス運動ができるゲーム機「Wii(ウィー)」を使ったプログラムや
音楽鑑賞、カラオケ、化粧などを取り入れている。
パーキンソン病は薬による治療が一般的。しかし、対症療法のため効果には限界があることから、
ストレスを解消するリハビリで病気の進行抑制を図るのが狙い。
5月中旬から患者2人が入院し、リハビリに取り組んでいる。その1人、井川政男さん(71)=北島町北村=は
「どの訓練も楽しく、10日目ぐらいから体が軽くなった。退院後も自宅で続けたい」という。
センター長の三ツ井貴夫医師は「患者には心配性の人が多い。楽しいリハビリで少しでも症状を和らげてほしい」と話している。
《パーキンソン病》脳内で神経伝達物質のドーパミンが不足し、手足の震えや動作が緩慢になる症状が
徐々に進行する病気。10万人に150〜200人の割合で発病するといわれ、県内の患者は1千人以上とされる。
(徳島新聞)
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2009/06/2009_124416637372.html