人の免疫反応を調節する「制御性T細胞」が、働きの大きい「活性型」と「未活性型」に
分類できると京都大学再生医科学研究所の坂口志文教授(生体機能調節学)らの研究グループが21日、発表した。
自己免疫病やアレルギーの治療、臓器移植での拒絶反応の抑制にもつながる可能性があるという。
研究成果は22日、米免疫学専門誌「イミュニティー」(電子版)に掲載される。
制御性T細胞は、ほ乳類の体内にあり、免疫反応を抑制するリンパ球群。
研究グループは、人の制御性T細胞の表面分子にマーカーの一種の抗体を使って反応を調べたところ、
抗体から離れる活性型と、抗体にくっつく未活性型に分類できることがわかった。
活性型は免疫反応の抑制力が強く、未活性型は抑制力は小さいが、
刺激を与えると活性型に変化するという。胎児の血中には未活性型が多く、
高齢者は活性型が多いこともわかった。
研究グループは、自己免疫病や、臓器移植時の拒絶反応は、制御性T細胞の割合に応じて起こり、
活性型が減少すると起こりやすくなると推察。2種をコントロールすることで拒絶反応を抑えられる可能性があるとみている。
(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/science/090522/scn0905220101000-n1.htm