【生科学】血管新生抑制の新タンパク 京都府立医科大研究グループ発見

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 血管の新生を抑制する新たなタンパク質を、京都府立医科大の池田宏二助教、
松原弘明教授(循環器内科)のグループがマウスの血管内皮細胞から見つけた。
心筋梗塞(こうそく)やがんの新たな治療法につながる発見といい、米国科学アカデミー紀要で28日に発表する。

 ■心筋梗塞 がん治療に光

 血管が詰まり血液が心筋に行かなくなる心筋梗塞や、たくさんの栄養を取り込むがん細胞の増殖では、
血管増殖因子によって血管内面を覆う血管内皮細胞が血液の必要な場所に向けて運ばれて増殖し、
新しい血管が作られる。しかし増殖したての内皮細胞は未熟で死にやすい性質がある。

 松原教授は、マウスの血管内皮細胞にある約300種類のタンパク質から血管内皮細胞だけで
働くタンパク質ARIA(アリア)を見つけ、細胞死を促進していることを突き止めた。

 アリアを作る遺伝子の働きを抑えてアリアの産生量を4割程度まで減らすと、
内皮細胞の細胞死は7−8割減少した。別の実験では皮膚がんが大きくなった。
内皮細胞の細胞死が抑えられ、血管新生が促されたためとみられる。

 松原教授は「アリアを抑えて血管新生を強める心筋梗塞の治療や、
逆にアリアの働きを強めてがんの増殖を抑える治療が可能ではないか」と話している。
(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009042800086&genre=G1&area=K00