<胎児不整脈治療、妊婦服用は有効 厚労省、全国調査で初確認>
胎児の心拍が異常に増える胎児不整脈の治療法として、妊婦に不整脈の薬を服用させる方法は
有効だとする全国調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・左合治彦国立成育医療センター
周産期診療部長)が30日までにまとめた。
胎児治療は母体への負担が大きく、効果が科学的に証明されていないものが多い。
この治療法についても国内の実態が把握され、重要性が確認できたのは初めてという。
調査結果は治療指針の作成に役立てられる。
調べた疾患は「胎児頻脈性不整脈」と呼ばれ、悪化すると心不全を起こし死亡することもある。
全国の750施設へのアンケートでは、2004−06年度に369施設で計160例発生していた。
この結果から、全国で年に少なくとも50−60例の発生があると推計された。
詳しい状況が判明している82例を分析すると、半数の41例で妊婦に不整脈の薬を服用させる
治療が行われ、うち38例(93%)で胎児の症状がなくなったり、改善したりしていた。
胎児が心不全を発症していた11例でも、治療で9例(82%)に効果がみられた。
治療には大半のケースで「ジゴキシン」という抗不整脈薬が使用されていた。
治療しなかった41例では、治療例より早産や帝王切開が必要な出産が多かった。
胎児死亡は治療例で1例、治療なしの例で2例だった。
左合部長は「結果を基に最善と考えられる治療手順を作成し、臨床試験であらためて有効性を確認したい」
としている。
2009/03/30 17:25 【共同通信】
記事引用元:47News(
http://www.47news.jp/)
http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009033001000593.html