地球温暖化に伴う南極大陸の巨大な氷河の溶解と海面上昇の関連を、無人潜水艇を使って調査しようと、
英国の南極調査隊が南米チリから現地に出発、海面下で氷河の観測に乗り出した。海流が氷河下部の溶解を
どう進めているのか、今も実態は不明とされており、海面上昇の仕組みの一端が解明されることに期待が高まっている。
ロイター通信によると、アムンゼン海へと移動するパイン島氷河などが対象で、
底部は海面下約400メートルに達する。潜水艇は長さ7メートルの自動航行式で水深1600メートルまで潜行が可能。
これとは別に、海底に水温や塩分濃度などを測る機器を設置、2年間分のデータも集めるという。
アムンゼン海には大陸の氷河が流れ込み、パイン島氷河は1990年代半ばと比べ移動速度が約5割上がり、
年間3・7キロのペースで流れ、南極で最も動きが速い氷河とされる。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書では、温暖化対策の進展に応じて、
今世紀末までに18−59センチの範囲で海面が上昇すると予想している。
北海道新聞(リオデジャネイロ共同)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/144291.html 無人潜水艇などを載せ南極に向かう砕氷船=1月6日、チリの港(ロイター=共同)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/image/4260_1.jpg