オオカミは白かった?=黒い遺伝子変異は飼い犬から−米欧チーム
2月6日5時31分配信 時事通信
オオカミは絵本や漫画で黒く描かれることが多いが、北米で黒いオオカミが増えたのは、先住民の飼い犬との交雑が影響した
可能性が高いと、米スタンフォード大などの米欧加研究チームが6日、米科学誌サイエンス電子版に発表した。
北米に生息するオオカミは、北極圏のツンドラ地帯では白っぽく、森林地帯では黒が多い。ツンドラ地帯は温暖化で縮小しており、
森林で身を隠すのに有利な黒い個体が増えたと考えられる。
飼い犬のイエイヌはもともと、人類がオオカミを家畜化したものだが、家畜の遺伝子変異が野生種に利用された例が
見つかったのは初めてという。
研究チームは、カナダの北極圏に生息する白、灰色、黒のオオカミ41匹と、米西部イエローストーン国立公園の灰色と黒の
224匹のDNAを採取し、イエイヌや近縁のコヨーテと比較した。その結果、イエイヌの黒い毛の遺伝子変異が交雑でオオカミに
移った可能性が高いと結論付けた。
米先住民は、1万4000年〜1万2000年前にユーラシア大陸から当時陸続きだったベーリング海峡を経て北米に渡ったと
推定されており、飼い犬も一緒だったとみられる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090206-00000016-jij-soci