太陽系の近くで暗黒物質の対消滅現象? 南極上空でナゾの高エネルギー宇宙線
南極における観測気球を使ったデータ収集により、
太陽系の近くが発生源とみられる高エネルギーの宇宙線が地球まで多数飛来してきていることが19日、
英科学雑誌「ネイチャー(Nature vol.456)」に掲載された論文により明らかとなった。
この研究を行ったのは米ルイジアナ州立大学の
ジョン・ウィーフェル(John Wefel)教授(物理学)を中心とするNASAの研究グループ。
ウィーフェル教授を中心とする研究グループは南極でNASAが開発を行った
宇宙線電子観測装置「Advanced Thin Ionization Calorimeter(ATIC)」を観測気球に搭載することで、
南極上空高度35キロ以上の成層圏に到達する宇宙線の精密観測を実施。
その結果、35キロ以上の上空には300〜800GeV(ギガ電子ボルト)の
高エネルギーの銀河起源宇宙線が多く存在することを突き止めた。
研究グループでは観測結果からこれらの銀河起源宇宙線の発生源は太陽系の直ぐ近く分析しているが、
太陽系の近くにはこれだけの宇宙線の発生源となるような天体は発見されておらず、
この宇宙線の発生源はナゾに包まれている。
研究グループでは、これらの宇宙線は未知の天体、
もしくは、カルーツァ=クライン理論に基づく暗黒物質(ダークマター)の対消滅によって生じている可能性もあるとして、
研究を継続している。
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200811211504