【神経科学】脳内のグリア細胞が分泌するS100Bタンパク質が神経活動を調節

このエントリーをはてなブックマークに追加
1 ◆NASA.emcN. @びらぼんφ ★
独立行政法人理化学研究所は、ニューロンとともに脳を構成している
グリア細胞の一種アストロサイトが、神経活動の上昇に伴ってカルシウム
結合タンパク質S100B を分泌し、神経活動を調整することを発見しました。

(略)
脳は、ニューロン、グリア細胞および血管から構成されています。グリア細胞は、
ヒトの脳細胞の半数以上を占め、その中でも最も数の多いのがアストロサイトです。

従来、グリア細胞は、脳構造の維持のほかに、脳内の代謝や細胞外環境を
維持する支持細胞であると考えられてきました。しかし近年、アストロサイトが
ニューロンと同様に、種々の神経伝達物質(グルタミン酸やATPなど)を放出し、
周囲の神経活動を調節することが示唆され、注目を集めています。

S100Bは、アストロサイトに特異的に発現しているカルシウム結合タンパク質です。
今回S100Bが、神経活動の上昇に伴って分泌されることや、分泌されたS100Bが
アストロサイトからニューロンへのシグナル伝達物質として働き、脳内で神経活動を
調節していることを世界で初めて発見しました。

アルツハイマー病やてんかんなどの神経疾患患者の脳脊髄液中では、S100Bの
濃度が高いことが知られており、今後、これらの神経疾患の予防や治療薬開発に
寄与するものと期待されます。

本研究成果は、米国の科学雑誌『The Journal of Neuroscience』(10月22日号)に
掲載されます。

(長文のため抜粋しました。詳細は以下のソースをご覧下さい)
ソース:http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2008/081022/detail.html
ダイジェスト:http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2008/081022/
画像:
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2008/081022/image/01.jpg
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2008/081022/image/02.jpg
理化学研究所プレスリリース2008年10月22日

【参考】
■The Journal of Neuroscience
Neural-Activity-Dependent Release of S100B from Astrocytes Enhances
http://www.jneurosci.org/cgi/content/abstract/28/43/10928

※ご依頼いただきました
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1220947080/119
Kainate-Induced Gamma Oscillations In Vivo
2名無しのひみつ:2008/10/24(金) 17:30:47 ID:ZOKW2ht7
>アストロサイトがニューロンと同様に、種々の神経伝達物質(グルタミン酸やATPなど)を放出し、
>周囲の神経活動を調節することが示唆
先生よくわかりません。そんな物質を出してたらニューロンと同じ働きってことじゃないの?
調節ってなに?エロイ人おしえて
3名無しのひみつ:2008/10/24(金) 17:41:41 ID:eAzD01oP
以下、アレルヤ・アプティズムとソーマ・ピーリスのネタ禁止
4名無しのひみつ:2008/10/24(金) 17:45:04 ID:WTA4Vsd1
>独立行政法人理化学研究所
ここってこの板でよく見るね
5名無しのひみつ:2008/10/24(金) 17:49:04 ID:2R/tg/L1
グリア細胞が伝達物質を出してるって
もしかして大発見かも
6名無しのひみつ:2008/10/24(金) 17:53:11 ID:Gx/OAw93
脳幹部グリオーマの俺が痛みに耐えながら6ゲット。


はぁ…
7名無しのひみつ:2008/10/25(土) 00:04:45 ID:dX5zAEu8
>>2 まじレスすると、神経細胞は活動電位(=発火)が起こるたびに神経伝達物質がシナプス
から放出される。活動電位は1msくらいのイベントなので、かなり精密な時間単位で神経回路間
の通信が行われる。一方グリア細胞は、活動電位を発生できないのでゆっくりとした(数秒〜
数十秒秒単位)のカルシウム上昇しかみられず、伝達物質の放出も時間精度は高くない。
8名無しのひみつ:2008/10/25(土) 00:12:04 ID:dX5zAEu8
>>5 グリア細胞がグルタミン酸やATPをだしているのは、10年以上前から知られている(はず)。
ここで新しいのは、グルタミン酸やATP等の小さい分子ではなく比較的大きいタンパク質がシグ
ナル分子となっていることでは。

9名無しのひみつ:2008/10/25(土) 00:21:02 ID:/ZqW40kF
大昔、Ca結合タンパクが専門だったんだけど(思い出したくもない)
S100Bってカルモジュリン・ライクなEFハンド構造の、
なんというかCaイオンが来たら立体構造が変化して、他のタンパクの活性を調節するんだよな。(おぼろげ)

しかもCaは脂質とともに細胞内シグナル伝達に関与している(10年前の知識)

Ca不足でイライラというのは昔のDTDXの主題歌になってたくらい当たり前っちゃあ当たり前の話なんでねえ。
カルシウム摂れよ。ただし日本人は乳糖で腹下す人も少なからずいるから魚でも食え。
10名無しのひみつ:2008/10/25(土) 00:25:57 ID:/Z7ujjQ3
>>4
普通の研究機関は、その研究室が持ってるコネをフル活用して新聞などのメディアに載せてもらう。
自分から宣伝しなくてもニュースにしてくれるなんてことはまずない。それこそノーベル賞レベルの話。
ところがどっこいソースを見るとわかるように理研は広報サイトから直接2ch記者が話を拾ってくるから、
一般の大学、企業の研究情報よりもこうしてニュースになりやすい。それだけの話。
11名無しのひみつ:2008/10/25(土) 00:26:50 ID:dX5zAEu8
細胞外に放出されるということは、細胞外Caも緩衝するのかな?
12名無しのひみつ:2008/10/25(土) 00:29:16 ID:dX5zAEu8
>>10 大学も独法化したので広報活動が活発になっている。特に旧帝大は。
13名無しのひみつ:2008/10/25(土) 00:42:49 ID:/Z7ujjQ3
>>12
それは知ってるけど、研究組織の広報サイトがそのままニュースソースとして使われてるのって理研くらいじゃね?
14名無しのひみつ:2008/10/25(土) 00:47:43 ID:dX5zAEu8
生理学研究所(文科省)や産業技術総合研究所(経済産業省)は、省庁の記者クラブを利用しているのかも
15名無しのひみつ:2008/10/25(土) 00:56:02 ID:VMqfdwFh
圧倒的に多いのはオリゴじゃねー?
アストロは・・・
16名無しのひみつ:2008/10/25(土) 01:05:50 ID:dX5zAEu8
そうなの?マウスではアストロ>>オリゴだけど。
17名無しのひみつ:2008/10/25(土) 01:18:00 ID:VMqfdwFh
>>15
理研の結果だから対象はマウスだろうね。
俺はヒューマンしか見てない。

ま。マウス・ラット・ヒューマンで違うのは当たり前か。
18名無しのひみつ:2008/10/25(土) 01:34:28 ID:dX5zAEu8
http://faculty.washington.edu/chudler/facts.html#brain
をみてみると、ヒト脳でのグリア:ニューロンの相対比がわかる。10〜50倍グリアの方が多い
というのは俗説で実際に数えてみると2〜3倍。アストロサイト;ニューロン比は大脳新皮質
で、1.4〜2:1で、ミクログリアもけっこういるはずだから、オリゴは数としてはどうなのかな。
なにかしっかりとしたソースがあると助かるのだが。
19名無しのひみつ:2008/10/25(土) 01:43:27 ID:VMqfdwFh
>>18
実際にヒューマンの脳を一度でも、見てみると
数を数える事自体が無意味だと分かるよ。

ニューロンは余裕でカウント可能〈 アストロ(GFAP陽性)可能〈 オリゴは無理
ミクログリアは様々。
これがヒューマンの脳。
20名無しのひみつ:2008/10/25(土) 01:52:20 ID:dX5zAEu8
そうなんですか。知らなかった。ちなみに、オリゴデンドロサイトは何で染めているのですか?
CNPaseでしょうか?
21名無しのひみつ:2008/10/25(土) 02:04:44 ID:VMqfdwFh
ヒューマンのオリゴに特異的な抗体がないからねー(培養細胞は別だけど)。
多分、みんな困ってると思うよ。
CNPaseも1つだけど・・・証明にはならない。

確信もてるのは電顕じゃないかな?
免染だったらGFAP/CD68陰性で細胞質が抜けてるからオリゴと考えられるって
言ってる論文が多いと思う。

マウスだったらオリゴ染めれるの?
22名無しのひみつ:2008/10/25(土) 02:11:20 ID:dX5zAEu8
CNPaseで綺麗に染まります。CNPaseのプロモーター直下にGFPを組み込んだマウスもあり
こちらも、オリゴデンドロサイトが緑に光ります。他にも、オリゴが特異的に染まるの抗体が
あったはず。

ヒト大脳新皮質の白質でオリゴが大多数を占めるのはイメージとしてつかみ易い(それに厚いし)感じ
がしますけど、灰白質でもオリゴ優位なのでしょうか?

zhang&sejnowski (2000)によると脳の50%はオリゴだというテキストが検索エンジンで
拾えましたけど、ソースにはたどり着けなかったです。sejnowskiって理論モデルのひと
だし。
23名無しのひみつ:2008/10/25(土) 02:25:08 ID:VMqfdwFh
GFPを使ったら反則でしょ!ヒューマンには使用できない。

CNPaseは、ヒューマンでも綺麗に染まるけど、オリゴに特異的ではないから
陽性だからといってオリゴであるという証明にはならない。CAUなんかも
同じ類。
O4、Olig2なんかは腫瘍や培養細胞じゃないと染まってこないし・・・

Cortexでは、若干、ニューロン優位じゃないかな?
ただしreactive astrocyteなんかがあったら別だけど。

ニューロンとグリアのタイプ別を調べるなら最近の論文よりも
CajalやGolgi染色が主体だった頃の論文の方が正確な気がするよ。固定法も違うし。
24名無しのひみつ:2008/10/25(土) 02:30:09 ID:dX5zAEu8
ふむふむ、勉強になりました。大学の図書館で来週にでも調べてみます。また、質問や新しい事が
見付かったらこのスレで質問させていただきますが、もし読まれていたら宜しくお願いします。
そろそろ眠くなってきました。
おやすみなさい。
25名無しのひみつ:2008/10/25(土) 02:31:50 ID:YS39nzbn
てか、オリゴは抗フェリチンでもいけますねw ミエリンならMBP

S-100の由来もそのへんでございますw
26名無しのひみつ:2008/10/25(土) 02:32:29 ID:VMqfdwFh
おやすみ。
27名無しのひみつ:2008/10/25(土) 02:39:06 ID:VMqfdwFh
オリゴのマーカーとしてフェリチンやトランスフェリンとかの報告が昔あったね。
けどオリゴ特異的ではないし、疾患によっては感度の問題が出てきて
現在はオリゴのマーカーになってないでしょ!
28名無しのひみつ:2008/10/27(月) 07:17:50 ID:CJ+1Uscf
分泌されたs100bタンパクは代謝されたり分解されるの?
29名無し三等兵:2008/11/02(日) 09:04:41 ID:iw92M3S7
S100Bのサプリメントマダー?
30名無しのひみつ:2008/11/02(日) 19:20:16 ID:E9kTHHsH
血液脳関門通ん無いんでねー?
31名無しのひみつ:2008/11/06(木) 19:00:35 ID:A1D9Givo
とおらない?
32名無しのひみつ:2008/11/06(木) 23:57:14 ID:MBOQv1l6
通るかな?
33名無しのひみつ:2008/11/07(金) 00:14:44 ID:RSGvsUcx
通らねえよ。
なんか薬剤作るとすれば、BBBをうまく通り抜けるようにデザインされた低分子だな。

というか、ターゲットがいくら脳に特異的に発現しているタンパク(のサブタイプ)だとしても
アフィニティが100対0なわけにはなかなかいかないから、必ず腹を壊す。か、便秘する。
34名無しのひみつ:2008/11/14(金) 02:31:38 ID:5lk8MtsB
IVでもよくね?
35名無しのひみつ:2008/11/14(金) 19:40:09 ID:LMmcHHP6
つーか、あらゆる薬剤でいえることだが、BBB通すのめんどくせぇし無駄が多すぎ。
頭に注射針一本通るくらいの穴あけといて、そこから医療機関でなら手軽に薬剤投与できる、
頭蓋骨穿刺手術を認めるようにすべき。
36名無しのひみつ:2008/11/15(土) 12:14:10 ID:jabT4O/A
Matrixみたいになるな。
37名無しのひみつ:2008/11/15(土) 15:57:19 ID:fobqe1S5
BBBって近代の考え方みたいに首筋の太い血管にフィルターがあるわけじゃないんですよ。
マイクロオーダーの大きさで無数にあるわけですよ。
頭に穴あけりゃいいってもんじゃない。
38名無しのひみつ:2008/11/15(土) 21:44:13 ID:jabT4O/A
マニトールでBBBを一瞬緩めることは可能。モデル動物だけど、これ豆知識な。
39名無しのひみつ:2008/11/16(日) 04:11:03 ID:lchACdgh
じゃあインチキGABAチョコレートも、そのマンニトールだかを混ぜ込めば脳に効くわけ?
なんか余計な物質まで神経細胞に入ってえらいことに。
40名無しのひみつ:2008/11/22(土) 06:01:12 ID:6qEp+15f
その前に、臓器がいかれるだろ。浸透圧とかの関係で。
41名無しのひみつ:2008/11/27(木) 22:36:07 ID:uFoQ0LZQ
なぜ、眠らないとならないのかという理由がこういったところから解明される
かもしれない。
42名無しのひみつ:2008/11/29(土) 01:59:51 ID:/mL1zQz/
脳内ホメオスタシスとグリアはこれから注目される分野かもね。
脳の高次機能は胡散臭い論文が出がちだけど、こういう分野はしっかりした仕事が多いね。
43名無しのひみつ:2008/12/10(水) 00:04:22 ID:4M6vQfiS
BBBって何?
44名無しのひみつ:2008/12/10(水) 20:25:44 ID:rzfUuVlV
もみじ饅頭のことですよ。
45名無しのひみつ:2008/12/11(木) 16:11:50 ID:HUSwXStv
まあほとんどがクズみたいな研究をしてるんだけどね。理研は。
46名無しのひみつ
え?そうなの?