独立行政法人・国立環境研究所(茨城県)は、さまざまな臓器や組織の
細胞へと変わる能力がある人間の胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使って、
サリドマイドやビスフェノールAなどの有害な化学物質が、胎児にどのような
影響を与えるかを解明する研究を、来年にも始めることを決めた。
動物実験などの従来手法では解析に限界があるためで、人間のES細胞を
使って化学物質の胎児影響を調べる研究は世界初。ES細胞を使った研究の
是非を検討する文部科学省専門部会が、研究実施を認めた。
環境研は、研究成果を、健康被害の予防や公害対策、環境のリスク評価法
開発などに役立てる方針だ。
環境研は当面、サリドマイドやビスフェノールAのほか、ダイオキシンやポリ塩化
ビフェニール(PCB)、有害とされる有機塩素系農薬など計12種類の化学
物質による影響を検証する。
いずれも、外部刺激の影響を受けやすい胎児期にさらされると、ホルモン分泌
異常やがんなどの病気を起こす化学物質とされるが、異常発生の正確な仕組みは
わかっていない。
ソース:
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20081006-OYT1T00421.htm 読売新聞 2008年10月6日14時45分
【参考】
■国立環境研究所(NIES)
http://www.nies.go.jp/index-j.html