【宇宙】天の川銀河の外側、構造はとても複雑

このエントリーをはてなブックマークに追加
1206φ ★
スローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)のデータから、天の川銀河の外側を取り巻く星の
流れ11本が見つかった。今までに発見されたものを含めた大小14本の星の流れは、互いに
交差するなどして入り乱れ、複雑な構造を見せている。

スローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)は、「宇宙の地図」を作ることを目的とした大規模なサーベイである
(解説参照)。SDSSのプロジェクトのひとつ「SEGUE」では、天の川銀河にある2500万個の星について、速度の
計測が行われた。速度ごとに星を分類した結果、銀河を取り巻く14本の構造が明らかとなったのである。
そのうちの3本は、すでに発表されていたものである。

米・コロンビア大学のKathryn Johnston氏は、「銀河の中心部は、星の流れが集まって混み合った状態にある
のですが、見た目には一様にしか見えません。しかし、遠く離れて見ると、長く伸びた流れのひとつひとつが見えて
くるのです」と話している。

14本のうち、おとめ座の方向に見える流れは、天の川銀河の重力によって引き伸ばされた、いて座矮小銀河の腕の
一部であることがわかっている。しかし、それ以外の流れの具体的な起源は明らかになっていない。

SEGUEがこれまでに観測を終えたのは、天の川銀河のほんの一部の領域にしかすぎず、銀河のまわりには、
まだ数多くの星の流れがあると考えられている。

Johnston氏は、「SDSSは、天の川銀河に関する膨大な情報をわれわれに与えてくれました。しかし、天の川
銀河の地図作りは始まったばかりです。SDSS-IIIで行われる新たな観測や別のサーベイによって、今後大きな
発見があるでしょう」と話している。

解説、写真は>>2以降で