細胞が卵子や精子(生殖細胞)になるのに必要な遺伝子の働きを、理化学研究所
(神戸市)の斎藤通紀(みちのり)・哺乳(ほにゅう)類生殖細胞研究チームリーダーと
栗本一基特別研究員らがマウスの細胞を使った実験で解明した。
この遺伝子は細胞が一般的な細胞(体細胞)に変化するのを防ぐブレーキ役をしていた。
さらに、生殖細胞にとって重要な、どんな細胞にも変化できる能力(多能性)の維持に関係していた。
15日付の米科学誌「ジーンズ・アンド・デベロップメント」に論文が掲載される。
斎藤さんらは、生殖細胞形成に重要だとみられた遺伝子「Blimp1」を、人為的に
欠損させた受精卵を作り、正常な受精卵と比べた。
その結果、正常な受精卵は受精後6〜8日で、一部の細胞が生殖細胞に向かって変化し始めた。
一方、Blimp1のない受精卵では、生殖細胞になるはずの細胞で、皮膚や骨などの
基になる体細胞への変化を促す遺伝子が次々と働き出した。多能性維持に重要な
別の遺伝子「Sox2」は働かなかった。
Sox2は、京都大の山中伸弥教授らがつくった人工多能性幹細胞(iPS細胞)に必要な
遺伝子の一つ。斎藤さんは「Blimp1はヒトにもある。何らかの共通の働きをしている
可能性がある」と話している。
ソース:
http://mainichi.jp/select/science/news/20080615k0000e040001000c.html 毎日新聞 2008年6月15日 6時15分
依頼スレ#714より立てました