昨年11月に発見されたボアッティーニ彗星(C/2007 W1)が、予想を上回る増光を
見せていて話題になりそうだ。
最初の見ごろは5月。双眼鏡が必要となるが、ゴールデンウィーク中は月明かりもなく、
まずまずの高度なので観察してみてはいかがだろう。
ボアッティーニ彗星(C/2007 W1)は、2007年11月20日(世界時)に米・アリゾナ州の
レモン山(Mt. Lemmon)天文台で撮影された画像からイタリアの研究者A. Boattini氏が
発見した彗星である。
6月12日に地球最接近を迎えるが、その距離は0.21天文単位(1天文単位は地球から
太陽までの距離)と近い。また、直後の24日には近日点(太陽にもっとも接近する点)を
通過する(距離0.85天文単位)ことから、明るくなりそうな彗星として注目を集めていた。
当初の最大予想光度は5等級だったが、3月から4月にかけて予想を上回るペースで
増光を見せていることから、3等台に達する可能性もでてきた。
一方、軌道に着目すると、太陽系の最外縁部である「オールトの雲」から初めて太陽に
接近する彗星であると指摘する専門家もいる。
そうだとすれば新鮮な氷が残っていて、尾の発達が期待できるが、同種の彗星は太陽に
接近するにつれて増光が鈍るという悲観的な見方もあり、注目されている。
残念なことに、最大光度が予想される6月には、北半球からボアッティーニ彗星を見るのが難しい。
東京の場合、5月は夕方に南西の空で見えているものの、日を追うごとに高度を下げ、
6月には夜空からすっかり姿を消してしまう。
再び現れるのは7月のことで、明け方の空に移っている。ただ、ピークから外れていたとしても
じゅうぶん明るいので、ぜひ観察したい。
ボアッティーニ彗星の位置が高く、観察に時間をあてやすいゴールデンウィークの間はチャンスだ。
予想光度は7〜8等台とまだまだ暗いが、月明かりがまったくないという好条件だ。
薄明終了時の位置は、5月1日の場合、ほぼ真南の空で30度の高さ。集光が強く尾もはっきり
していると予想されているので、双眼鏡でじっくり探そう。
明るさの移り変わりも気になるところだ。天体撮影に適したカメラをお持ちなら、ぜひ撮影にも挑戦してみよう。
ソース:
http://www.astroarts.co.jp/news/2008/04/22c2007w1/index-j.shtml 画像:
http://www.astroarts.jp/news/2008/04/22c2007w1/hrz.png http://www.astroarts.jp/news/2008/04/22c2007w1/eqt.png AstroArts 2008年4月22日