北大西洋を流れるメキシコ湾流が、約10キロ上空までの対流圏の大気全体に
長期的な影響を与えていることを、海洋研究開発機構や北海道大の研究チームが
明らかにした。
大規模な影響は欧州など遠隔地へ及んでいる可能性もあり、地球温暖化の影響を
探る上で重要という。
メキシコ湾流は黒潮と並ぶ北半球最大の海流で、熱帯地方の熱を中高緯度地方に
運ぶ役割を担っている。この熱は雲や低気圧の発生など数日程度の短期的な気象に
影響を与えている。
しかし、1カ月以上の長期的な気候にどのように影響しているのかは不明だった。
見延庄士郎・北大教授(気候学)らは、高解像度の人工衛星観測データや、スーパー
コンピューター「地球シミュレータ」によるシミュレーションを組み合わせて分析。
メキシコ湾流に沿った上空約10キロまでの対流圏全体に、年単位の気温や風速の
変化があることを発見した。
上昇流は対流圏上層にまで達していた。この規模の風は地球全体に及ぶ大気の
波を生み、遠く離れた地域に影響することがある。見延教授は「今後は、より複雑な
黒潮が大気に及ぼす影響も明らかにしたい」と話している。
英科学誌ネイチャーに発表した。
ソース:
http://mainichi.jp/select/science/news/20080427ddm016040041000c.html 毎日新聞 2008年4月27日 東京朝刊
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