食用大麦の決め手発見 実と殻がきれいに分離
実と殻がきれいに分かれる食用大麦の性質を決めている遺伝子を、香川大の武田真教授
(植物遺伝学)らの研究グループが突き止め、米科学アカデミー紀要電子版に4日発表した。
大麦は食物繊維を多く含み健康食品として注目されるが、野生種は実と殻がくっついており、
ビール原料などを除いて食用には不向き。武田教授は「この遺伝子に着目して品種改良すれば、
実が小さかったり収穫量が少なかったりする野生種を人の食用に変えることができそうだ」と
期待している。
食用大麦は約8000年前にメソポタミア文明で耕作が始まったとされる。もともとは実と殻の
間が脂質でくっついていたが、この脂質がない品種が突然変異で現れたらしい。
武田教授らは、8年かけて大麦の遺伝情報を比較し、食用大麦ではERF転写因子と呼ばれる
遺伝子が働いていないことを突き止めた。
2008/03/04 09:19 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200803/CN2008030401000118.html Barley grain with adhering hulls is controlled by an ERF family transcription factor gene regulating a lipid biosynthesis pathway
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 10.1073/pnas.0711034105
http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/0711034105v1