原子配列が壊れる瞬間をストロボ撮影
− 100億分の1秒の短パルスX線による衝撃圧縮過程の観測に成功 −
発表の骨子
高エネルギー加速器研究機構を中心とするグループは、結晶の原子配列がレーザーパルス照射により
瞬間的に圧縮され、破壊してゆく現象を100ピコ秒(100億分の1秒)の大強度の短パルスX線で捕らえる
ことに世界で初めて成功した。今回の成果は、材料破壊の詳細な情報を得ることができるという意味で
極めて画期的なものであり、衝撃や損傷に強い材料の開発を行う上で重要な技術となることが期待される。
【概要】
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、国立大学法人東京工業大学と独立
行政法人科学技術振興機構(JST)と共同で、単結晶の圧縮・破壊という一度きりしか起こらない現象
(衝撃圧縮過程)を、たった1発の短パルスX線を用いて時間分解能100ピコ秒で瞬間撮影することに
世界で初めて成功した。また、レーザーパルス照射と短パルスX線照射のタイミングを変えた実験を繰り
返すことにより、物質が瞬間的に圧縮され、破壊してゆく様子を観測することに成功した。これは、
KEK足立伸一准教授、一柳光平博士研究員、東京工業大学、腰原伸也教授、中村一隆准教授らの
グループによる研究成果で、JST戦略的創造研究推進事業 ERATO型研究の「腰原非平衡ダイナミクス
プロジェクト」の一環として進められたものである。
(以下ソースにて)
KEKプレスリリース
http://www.kek.jp/ja/news/press/2007/LatticeDeformation.html Shock-induced lattice deformation of CdS single crystal by nanosecond time-resolved Laue diffraction
Appl. Phys. Lett. 91, 231918 (2007)
http://link.aip.org/link/?APPLAB/91/231918/1