<掃除屋細胞>センサーのように要不要を区別 京大が解明
体内の“掃除屋”細胞と言われる「マクロファージ」が不要になった細胞を取り除く際、
アレルギーなど免疫にかかわるたんぱく質がセンサーのように要不要を見分けていることを、
京都大医学研究科の長田重一教授らが突き止めた。ぜんそくやアレルギー、アトピーなど
自己免疫疾患の解明や治療法の開発に役立つ成果という。
25日付の英科学誌ネイチャーに発表された。
古くなり不要になった細胞が死ぬと、有害な物質が放たれて周囲に炎症が起きないように、
マクロファージが細胞を丸ごと取り込んで分解する。死んだ細胞の表面にリン脂質の物質が
現れるが、マクロファージがどのように目印を見分けるかは未解明の部分が多かった。
マクロファージの表面にあり、この目印と結合するたんぱく質を探したところ、免疫にかかわる
「Tim1」と「Tim4」が当てはまると判明。これらを抗体で働けなくすると、マクロファージは
細胞を取り込めなくなり、Timたんぱく質が死細胞を取り除くために必要だと分かった。
研究グループの大阪大医学系研究科、内山安男教授は「マクロファージがうまく掃除でき
ないことと、自己免疫疾患など免疫の病気が関係すると分かった。治療法を考えるうえで
重要な発見だ」と話している。【根本毅】
毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071025-00000008-mai-soci Identification of Tim4 as a phosphatidylserine receptor
Nature advance online publication 24 October 2007 | doi:10.1038/nature06307
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/abs/nature06307.html