【宇宙】予算不足のため、将来地球に危険を及ぼす可能性のある隕石を全て発見するのは無理…NASA[03/11]

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ワシントン(AP) 小惑星やいん石が地球に接近または衝突する事態に備え、米航空宇宙局
(NASA)が取り組んできた観測事業が、予算不足で危機に直面している。当地でこのほど
開催された小惑星衝突に関する会議で、担当者らが窮状を訴えた。

NASAがまとめた報告によると、将来地球に危険を及ぼす可能性のある小惑星やすい星は、
推定約2万個に上る。その9割を2020年までに発見するためには、約10億ドル(約11
70億円)の予算がかかるという。

米議会は05年、NASAに小惑星の観測と、衝突に備えた対策立案を要請した。NASAは
すでに、直径1キロを超える大きな天体の追跡に着手し、これまでに769個の小惑星、すい
星を発見。どれも地球に衝突する恐れはないと判定している。この観測は来年末末までに完了
する計画だったが、予定より遅れているという。

さらに、衝突や接近、爆発の危険をほぼ回避するためには、直径140メートル以上の小惑星
などをすべて把握しておくべきとされるが、その観測は実現さえ危ぶまれている。

ひとつの方法として、他機関からの天体望遠鏡借用に加え、小惑星探査専用の望遠鏡を新設
する案が検討されたものの、これには計8億ドルの費用がかかる。観測をスピードアップする
ためには赤外線望遠鏡が望ましいが、設置費用は約11億ドルに跳ね上がる。いずれの案も、
予算超過を理由に却下されたという。NASAの科学者、リンゼー・ジョンソン氏によれば、
他機関の望遠鏡だけを使う案でも約3億ドルの費用がかかるとみられ、実施は見送られている。
ジョンソン氏は「NASAの結論は、現時点でできることは何もないということだ」と述べ、
予算不足の深刻さをあらためて強調した。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200703110004.html

※関連動画
巨大隕石衝突シミュレーション
http://www.youtube.com/watch?v=g4V93tm466U&eurl=