【生物】「僕らの命が危ないケロ」 カエル脅かすツボカビ症対策で緊急行動計画!

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47名無しのひみつ
【朝日社説】2007年01月28日(日曜日)付

■ツボカビ症 カエルの危機は人の危機

 ゲロゲロ、困ったな。

 ぼくたちカエルの一族と両生類の同胞が、絶滅の危機だというではないか。ツボカビ症という皮膚病が地球のあちこちで猛威をふるっているようだ。

 98年に報告があった感染症。被害はそれ以前からあったらしい。豪州や中南米などで大勢の仲間が犠牲になっている。その病気が、ついに日本に上陸した。

 この知らせを受けて、日本野生動物医学会、世界自然保護基金(WWF)ジャパンなどが「カエルツボカビ症侵入緊急事態宣言」を出してくれた。

 「私たち専門家は速やかに行動計画を策定し、可能な限りの努力を尽くす」として、お役所にも実態調査や検疫の強化、販売・流通の監視などを求めた。

 ツボカビ症を起こす微生物(真菌)は、ぼくら両生類の皮膚で増殖し、水中では自ら泳いで広がる。感染したぼくらの仲間やその死体を野外に出したりしないよう専門家は呼びかける。
 この病気にヒトがかかったという報告はないが、両生類の致死率は90%以上という。

 それにしても、宣言には驚いた。

 たしかに、ヒトビトは最近、地球規模で広がる感染症の対策に熱心だ。ただ、各国の政府や国際機関などが予防や封じ込めに乗り出すのは、ヒトの病気か、いずれヒトの健康を脅かしかねない動物の病気が中心だった。

(つづく)